「なんだか楽しそうですね」
「え? 分かっちゃう?」
「はい。すごく優しそうで、楽しそうな顔してますよ」
「そりゃそうでしょ! ミユキちゃんみたいに可愛いコが来るって想像していなかったんだから」
「え?」
「ミユキちゃんて、よく一目惚れされるでしょ?」
「そ、そんなことないです」
「そうかなぁ。俺だったら、ミユキちゃんと街で擦れ違っただけで惚れちゃうけどなぁ」
「フフフ、褒めるの上手ですね」
「え? 褒めてなんかいないよ。ただ、思ったことを口にしてるだけだよ」
「またまたぁ、いつもそうやって女性を喜ばせてるんでしょ?」
「そんなことないってば! 俺って普段は本当に無口なんだよ」
「えぇ? 本当ですか? 信じられないです」
そんな他愛もない話をしているうちに、ホテル街に到着。いつもより少しグレードの高いラブホにチェックインして、部屋でふたりきりとなる。
「あっ、今日は何時くらいまでに帰れば大丈夫なのかな?」
「そうですねぇ。子供が部活なので、18時には家に着いていたいです」
「え? 部活?」
「はい。中1の娘がいるんです」
サイトの書き込みで、バツイチだと自己紹介していたミユキちゃん。なんと彼女はシングルマザーでもあったのだ。しかも、中1の娘とは驚きである。
「そ、そんな大きいコがいるんだ?」
「はい。18の時に産んだコなので…」
もっと詳しく聞きたかったが、初対面なのであまり深く踏み込むのはマナー違反というものだ。それに、下手にほじくったら、地雷を踏んでしまう可能性もある。
それよりも問題は時間だ。この時点で15時を少し過ぎていた。ということは、ホテルにいられるのは2時間ちょっとという計算になる。
時間をかけておしゃべりしている場合ではない! もっと仲良くなってからベッドインしたほうが気持ちいいに決まっているが、今回はそうも言ってられない。
「じゃあ、先にシャワー浴びておいで」
「はぁい」
その後、入れ替わりで筆者もシャワーを浴び、ベッドイン。