ふんぬぬぬぬぬぬぬッ!
地球の地を踏んだばかりのサイヤ人・ナッパのように、周囲一帯を吹き飛ばしたくなってしまった。
メロちゃんの顔は、お笑いコンビ「ゆにばーす」のはらチャンみたいな具合だった。目がただの「裂け目」にしか見えない。
18歳のコとヤれる! と浮かれていた数分前の自分を叱りつけたくなった。
これが20歳過ぎの成人女性だったら、不機嫌そうな表情を隠すことなくゴメンナサイしていたことだろう。
どうする、ショーイチさんよぉ!?
瞬時に脳内で問答が始まった。
いくらおデブで不細工でも相手は18歳だ。それに、筆者の脳内には過去に対戦した数多くの女性の映像が鮮明にアーカイブされている。
そうした過去の忌まわしい記憶と照らし合わせても、メロちゃんが可愛く見えなかった。これはかなりの難敵だ。
なんとか相手のチャームポイントを探ろうとするが、それもできない。
肌も綺麗じゃなさそうだし、オッパイもたいして大きくなさそう。足は太いし、クビレなんてものはどこにも存在しない感じだ。
ダメだ、こりゃ…。
下唇を突き出し、白旗をあげることにした。
なんて言って断ろうか? 正直に伝えたら傷つけてしまうことになるので、用事を思い出したとか、急に風邪をひいたとか適当に言い繕うべきか?
あれこれ考えているうちに、メロちゃんが目の前に立っていた。
「あ、あのぉ、ショーイチさんですか?」
「あ、う、うん」
「やっぱり駄目ですか?」
「え? 何が?」
「私、こんな感じだから…」
「そんなことないよ。ゴメンね。ちょっと考え事をしてたんだ」
あちゃぁぁぁ、ヤっちまったなぁぁぁぁぁ!!
ええ恰好しいの筆者は、咄嗟にいい人ぶってしまった。
だが、一度口に出した言葉を翻すような真似はできない。こうなったら覚悟を決めるしかないだろう。