それまで饒舌だったフユコちゃんが口ごもってしまった。
ちょっと攻め急ぎ過ぎたか?
しかし、今更ギアをバックに入れるわけにもいかない。玉砕覚悟で、目を瞑ってアクセルをベタ踏みするしかないだろう。
「黙ってるってことは、お任せでいいのかな?」
フユコちゃんは、うつむいたまま首を上下に振ってくれた。そう、肯定の合図だ。
そこからふたりとも言葉数が少なくなり、店を出てホテルに向かうことにした。
無事にホテルの一室に入り、一息ついてから会話を再開させる。
「ついにここまで来ちゃったね」
「は、はい」
「安心して。ふたりっきりになったからって、急に襲ったりしないからさ」
「そ、それは心配してません」
「大丈夫? 後悔していない? もし嫌だったら、何もしないで帰ってもいいんだよ。この辺を女性がひとりで歩くのは危ないから、ちゃんと駅まで送っていくし…」
「大丈夫です!! もう覚悟はできてますから」
「そんな覚悟だなんて大げさに思ったらダメだよ。今からするのは気持ちいいことなんだからさ」
「は、はい。そうでしたね」
パートナーがいるのに、なぜ出会える系で遊ぼうと思ったのか。これだけ可愛いのに、なぜエッチの経験が少ないのか。聞きたいことは山ほどあったが、あまり根掘り葉掘り聞くのは危険だろう。パートナーのことを思い出し、心変わりしてしまう可能性だって十分あるのだ。
そこで、あまり深く突っ込まずに会話を終えることにした。
それにしても、本当にイイ女だ。部屋に入り上着を脱いだことで、フユコちゃんのボディラインはより鮮明になっていた。胸の膨らみは、少なく見積もってもEカップはありそうだった。
肌も白くて、着ているものもオシャレで、鞄もブランドもの…やはり出会える系サイトでは滅多にお目にかかれない上玉だ。
コ・ノ・エ・モ・ノ・ノ・ガ・シ・テ・ナ・ル・モ・ノ・カーーーーーーーーーー!!
優しい顔を取り繕いながら、“魔太郎モード”に切り替わってしまう筆者。たった一度のエッチで終わるのはあまりに勿体なさすぎる。なんとしても2度目のデートに持ち込めるよう策略を巡らせねばなるまい。
しばし考えた末、結論がでた。
ほかの男じゃ満足できないカラダにしてやんぜ!!
というシンプルな作戦だ。