待ち合わせ場所は新宿アルタ前。果たしてどんなコが来るのだろうか? ドキドキしながら待っていると、約束の時間より数分早く彼女が現れた。
おっ! く、クソ可愛いなぁぁぁぁぁ!!
エリナちゃんの顔は90年代後半に爆発的な人気を誇っていたバンド「ザ・ブリリアント・グリーン」のボーカルに似ていた。
ホニャっとした柔らかい印象で、その丸みを帯びた輪郭は「可愛い子狸」を思い起こさせる。そう、筆者の大好きなタイプの顔だ。
体型のほうは中肉中背といった感じで、ほんのり肉付きがいいという印象。なんとも抱き心地が良さそうだ。
鼻の下が伸びないよう口角を引き締め、ゆっくりと彼女に近づいていく。
「こんばんは、エリナちゃん」
「あ、は、はいっ!」
「ご、ごめん。驚かせちゃったかな? 約束させてもらっていたショーイチだよ」
「は、はい。エ、エリナです」
「ここだと通行の邪魔になるからアッチで話そうか?」
ガチガチに緊張している様子のエリナちゃん。ここで畳みかけるように話すのは危険だと判断し、建物の壁側に移動する。
「じゃ、あらためて。ショーイチだよ。今日はよろしくね」
「こ、こちらこそ、お、お願いします」
「ね、エリナちゃん。まずは安心して」
「え?」
「もし嫌だと思ったら、ここでサヨナラしてもいいんだよ」
「は、はい?」
「ほら、実物の俺ってすっごくスケベそうでしょ? 写メ詐欺だと思ってたりしない?」
「そ、そんなことないです」
「ありがとう。でもね、スケベだというのは本当なんだよ。こんな俺で大丈夫そう?」
「は、はい! ぜ、全然大丈夫です」
「ほら、そんなに無理しないで。普通に会話してるだけなんだから、もっと肩の力を抜いてよ」
「ご、ごめんなさい。男の人と会話するのに慣れてなくて…」
「そうなんだぁ。だったら無理せずにしゃべらなくていいよ。首を縦に振るか、横に振るかだけでも十分だからさ」
「え?」
「それくらいなら平気でしょ?」
「で、でも、失礼じゃないですか?」
「そんなことないって。エリナちゃんが一番楽な方法で気持ちを伝えてくれればいいからね」
「あ、ありがとうございます」
「それじゃあ、このままホテルに向かうってことでいいかな?」
コクン。
早速首を縦に振って意思表示してくれたエリナちゃん。そこからホテル街に向かって歩き始める。