筆者は理性が受け付けないタイプであっても、チンコの人格は相手の容姿をあまり重視しない。これまで、一目見て絶対無理と思った相手でも、我が愚息は余裕でフル勃起して数々の任務を遂行してきた。
顔パスしないと結論を出した筆者は、表情筋を操作して口角をほんの少し上げると、眉間に縦じわが刻まれないように注意しながらリリカちゃんに近づいていった。
「こんばんは、リリカちゃんかな?」
「あっ、はい。そうです」
「さっきサイト(PCMAX)で約束したショーイチだよ。今日はよろしくね」
「は、はい。お願いします」
「それじゃあ、さっそくだけど行こうか?」
「あっ、はい」
挨拶を終えると同時に、北口に向かって歩き始めた。
彼女がついて来ているのを横目で確認し、競歩のような感じで歩く。
彼女の身長は150センチ前後と低めだったので、こちらの歩幅にあわせるのに必死なようだった。
「あっ、ごめん。歩くのちょっと早かったね」
「だ、大丈夫です」
「もう少しゆっくり歩くから、無理しないで」
「は、はい」
不機嫌なのに、ついつい相手を気遣ってしまう。なんだかんだ言っても、女性に対して冷酷な態度をとることはできなかった。
ホテルに向かう途中、自動販売機で飲み物を買うことにした。
「どれを飲む? 好きなの選んで」
「えっ、いいんですか?」
「うん。暑いからちゃんと水分を補給しないとね」
「あ、ありがとうございます」
可能なかぎり彼女の顔を見ないように会話する。
そっぽを向くわけにもいかず、顔はしっかりリリカちゃんに向けてはいたが、視線は彼女を通り越してその向こう側を見ているイメージだ。
そのうち、ラブホ街に到着。激安ラブホにチェックインした。
部屋に入ると、すぐに灰皿を手に取り窓際に向かう筆者。
「俺は一服してるから、先にシャワー浴びておいで」
そう告げ、窓を少しだけ開けてタバコに火を点けた。
ふぅぅぅぅぅ。
リリカちゃんに背を向け、煙を窓の外に向かって吐き出した。