【勃活グルメ】やっぱり精力みなぎる夏の風物詩「うな重」

 医食同源。食こそ生命の源なり――。ということで、精力みなぎるグルメをご紹介いたします。近頃何だか元気ないんだよな~なんて漏らしている貴方、お試しあれ!

 

フワフワで甘辛くて香ばしい三位一体のおいしさ

【勃活グルメ】やっぱり精力みなぎる夏の風物詩「うな重」の画像1

 その身は雪のように白くて、フワフワと柔らかい。甘くてしょっぱいタレに何度も浸され、炭火で丹念に焼かれたところでお重の白飯の上に敷き詰められて提供される夏グルメの代表。

 しかし近年は、乱獲による漁獲量の減少で絶滅危惧種にも指定され、値段は高騰。それでも食べたい滋養強壮たっぷりの日本の夏の風物詩。そう、うなぎだ。

 うなぎは精のつく食べ物だけに、酷暑の夏に食べたいと言われているが、それは本当なのか? どんな栄養、ミネラルがあるのか調べてみた。

 すると、特に多く含まれているのはビタミンAで、抗酸化作用があり、がんや老化、免疫機能の低下を抑える働きがある。

 ビタミンB1、B2などのビタミンB軍は、疲労回復に効果あり。カルシウムは骨や歯を造り、DHAは悪玉コレステロールを減らし、EPAは中性脂肪を減らして血流を良くする。

 そして、みんな大好き亜鉛は、代謝を良くしてアンチエイジングに効果があり、精子の製造にも効果大と嬉しいことづくめ。やっぱりうなぎは夏バテ予防、精力減退予防の勃活グルメだった。

 が、問題はその値段だ。2020年、東京都内のうなぎ屋のうな重の相場料金もついでにしらべてみると、並(1尾)3500円、上(1尾半)4000円、特上(2尾)4500円以上(それぞれ税抜き)とある。庶民にとって、4000円のランチはなかなかどうも…。

【勃活グルメ】やっぱり精力みなぎる夏の風物詩「うな重」の画像2

 筆者が小学生の頃、夏の鴨川(千葉)の橋の上から竿を振れば、一夜にして小さなクーラーボックスいっぱいになったあのうなぎは、今では年に数回ほどしか食べられないご馳走となってしまったのだ。もうあの夏の日は、戻らない…。

 とはいえ、年々厳しくなる暑さ、たまにはうなぎで精をつけるのもいいんでないの? ということで、さっきからうなぎ屋の店の前を散々行ったり来たりしつつ思案に暮れていたうな重を、やっと食べる決心をして暖簾をくぐった。

 商店街のうなぎ屋ならば、店前で景気良くパンパンとうちわの音を立て、甘く香ばしい煙をあおいで道ゆく家族連れを店に誘惑するのだろうが、ここは偶然通りかかった老舗っぽいうなぎ屋、店の外からは煙も臭いも感じられない。

 

「しかし、店内に入ったらその香ばしい香りに一気によだれが湧き出して…」

 

 てなことを書こうと思ったが、やっぱりそんな臭いも雰囲気もない。和服姿の女将にうな重(並)を注文して、妄想に耽ることにした。

 

フワフワの白身、甘くて辛いタレ、香ばしい焼き目、それが三位一体となって舌の上で踊り舞う…

 

 やはりうな重は、カツ丼や天丼とはその待ち時間さえ緊張感が違う。あえて言うなら、風俗店の待合室というか、デリヘル嬢が来るのを待つホテルの部屋のワクワクドキドキと似ている。

 部屋のチャイムが鳴った途端(重箱に入ったうな重が着丼し)、あわててドアを開けると(重箱の蓋を開けると)、そこには写真通りの可愛い女の子が(メニューどおりのおいしそうな蒲焼が)、ニッコリ笑顔で立っているのだった(タレに染みた白飯の上にセクシーに横たわっているのでした)とさ(笑)。

【勃活グルメ】やっぱり精力みなぎる夏の風物詩「うな重」の画像3

 まずは湯気とともに上がってくるその香りを楽み、ゆっくりと蒲焼きに箸を入れ、一口大に切り取って口に運ぶ。

 炭火で焼かれた蒲焼は特に香ばしさが漂う。一口頬張ると、妄想したとおりの三位一体感が、唾液腺を刺激し、口の中がよだれで溢れかえる。次はタレの染みた白飯も一緒に口に運ぶと、「あの夏の味」が蘇ってくるのだった。

 食べるほどにエイコサペタエン酸で血管が拡張され、ビタミンBが体の隅々に行き渡り疲れを鎮め、亜鉛は股間の工場で製造ラインの回転をアップさせているような気がしてくる。ああ、これぞうなぎ効果。

 アッという間に気づけば残りは三分の一に。ここでやっと肝吸いとおしんこの存在に気がつき、インターバルに漬物をポリポリ、お吸い物をすすって一旦リセット。

 そこからは、最後に重箱の角に集まったタレご飯をかっこむまでノンストップ。うなぎもタレご飯も完食し、最後に肝吸いもすすりあげた。

 ふ~っ、満腹満腹。できれば蒲焼もう1枚行きたいところだが、また次回に取っておくのもいいだろう。明日にはきっと股間もパンパンになっているはずだ。

 ちなみに、筆者が今まで食べた中で一番安かったうなぎは、大阪・西成の飯屋で食べた「うなぎ丼」380円。そして、今では牛丼のチェーン店でもリーズナブルな料金でうな丼が食べられる。

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 さらに、東京下町の亀戸では、1000円でうなぎ弁当が食べられる。店にこだわりがなければ、安くて美味しいうなぎだって少なくはないのだ。

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 今日、あなたはうな重が食べたくな~る(笑)。

(取材・編集部)

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