堀之内・泡姫インタビュー! おとなの性教育をするセラピストソープ嬢

フーゾクには女の子の数だけNo.1がある。そんな女のコたちの、普段は見れない素顔やモチベーションを探る《フーゾクNo.1ガール》

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堀之内ソープランド『上流夫人』の美樹さん

性のアンバサダーNo.1 堀之内 美樹

【女のコデータ】
藤森美樹 40歳
サイズ:T160cm B88(E)・W58・H89
店キャリア:6年
風俗キャリア:20年
他:ファーストセラピスト

【店データ】
堀之内・ソープランド『上流夫人』
TEL:044-211-2421
営業時間:8時30分~24時
システム:入浴料90分1万円(税別)~
URL:http://jouryu-fujin.net/top/

 

ご職業は? はい、ソープ嬢です!

 キャミソールに胸が開いたチュニックを羽織り、スキニーパンツ姿でスタイルも良く、なかなかにセクシーなファッションの藤森美樹さん。笑顔にも可愛らしさが溢れる美樹さんは、ソープ歴20年になるベテランだ。経験豊富なだけに、どんな話が飛び出すか興味津々でインタビューを始めた。

――よろしくお願いします。コロナ禍のお客さんはどうですか。緊急事態宣言中は、お店はお休みだったんですよね?

美樹:そうですね。ゴールデンウイーク明けに再開したんですが、そこからは徹底して出勤時に体温計って手指消毒してから部屋に上がるって感じです。接客も、キスとか直接唾液を交わすようなことはNGって言うか、落ち着くまではちょっと自粛させていただきますっていう感じですね。

――お客さんの入店に関しては?

美樹:同様に、体温チェックと消毒は徹底してます。個室に入ってからも、まめにうがいをするとかまめにシャワー浴びるとか、菌が喉や皮膚にいないようには気をつけてます。換気扇はもう夏場だっていうのもあるので、ずっとつけっぱなしですね。プレイ中もマスク着用なら、感染確率はもっと減るんでしょうけど、さすがにそれはね。

――キャバクラやホストクラブが槍玉に上げられてますけど…。

美樹:私も自分の飲み物とお客様の飲み物は、誤飲しないように離れた場所に置いてます。おしゃべりするときも、対面じゃなくて並んで座ってね。ソープなので、◯ットやお風呂の準備とか色々あるので、洗い場側と距離を空けた状態で会話をしたりとか、ほんと些細なことにも気をつけてます。 

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――美樹さんは自粛期間中はどうされてたんですか?

美樹:元々、引きこもりでマンガとか映画とかそういうものも大好きなので、何一つ困らず。むしろ充実してました(笑)。

――今はこの仕事だけですか? 

美樹:この仕事と合わせて、性に関するセラピストをやっています。おとなの性教育とか、女性への触れ方だったりとか、そもそものセックスのあり方だったりとか、そういうのを伝えしたりしてます。

――おもしろそうですね! それは後でうかがうことにして、お店のHPを見ると、「シスターコース」とか「ブラザーコース」ってあるじゃないですか。あれはどういう?

美樹:詳細はお店に確認して欲しいんですけど、例えば「シスターコース」っていうのは、いわゆる二輪車で、「ブラザーコース」はお客様が二人ということです。あと、「ハードシスターコース」や「サポートコース」や「お花畑」なんてのもあります(笑)。

――「お花畑」!? なんかちょっと楽しそうですね(笑)。実はボク、数年前にこちらで二輪車コース入ったことあるんですよ。今のシスターコースになるのかな。けっこうコスパ高くて楽しかったです(笑)。たしか系列店もありましたよね。

美樹:うちは「真珠夫人」、「上流夫人」、「愛」っていう3店舗あります。「真珠夫人」と「上流夫人」はどちらも人妻店で、「愛」がおっぱいの大きい子のお店です。料金も同じです。

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――お店に入ってどれくらいですか?

美樹:今のお店は6、7年になるのかな。

――美樹さんの風俗の経歴はどんな業種なんですか? 

美樹:20年間、ソープ一本ですね。ただ、違うジャンルの仕事も知っておかなきゃと思ってデリでバイトしたことはあります。

――例えば、お客さんにこれだけは絶対してあげるという技はなんですか?

美樹:技?

――技でもサービスでもいいんですけど。

美樹:う~ん、基本的にはそのお客様のタイプに合わせるし、お店の存在って性のテーマパークだと思っているので。お客様が恋人同士のようなものを求めていらっしゃるのであれば、それをこちらから提供するし、非日常を求めているのであれば、それが攻めなのか受けなの確認した上でご提供するっていう感じなので、「これだけは」と言われると…。

――は~、お客さん次第ってことですね。

美樹:時にゆっくりやさしく、時にイチャイチャをメインにする時もあれば、言葉責めでバシバシやることもあるし…。もう、まるでAVみたいに強い早い刺激で、「ホラホラ!」みたいなドS全開で行くこともあるし。マットが嫌いって言われたらしないし、逆にマット大好きって言われたら、もう時間いっぱいマットでも構わないしね。ご希望とあらば指サックしてお客様のお尻をいたずらするのも、できる範囲でいくらでも対応します。

――さすがですね。美樹さんのお客さんはどんなお客さんが多いですか?

美樹:プロフィールにもあるように、ちょっとS寄りなので、やっぱり受け身寄りな方が多い印象を受けますね。こう、「お願いします!」っていうマグロちゃんとか、「悪戯してください」とか(笑)。

 あと、ありがたいことに某掲示板サイトで、「童貞は美樹に行け!」みたいなコメントがあるせいなのか、「初めてなんで教えてください」っていう若い人もね。セラピストの活動の影響で、「実体感として教えてもらいたいです」って方もいらっしゃいますね。

――じゃあ、ソープとセラピスト両方の顔をご存知の方もいらっしゃるんですか?

美樹:そうですね。私、プライベートでも「職業はソープ嬢です」って友達とかも含めてみんなにカミングアウトしてるので。1、2年前までは、ソープ嬢の私、プライベートの私、セラピストとしての私、っていういくつかの「私」っていうフィールドがあったんですけど、去年あたりからそのフィールドが全部調和してきたなっていう感覚ですかね。

――別に不都合もなく?

美樹:元々あまり嘘をつけない性格なので。お客様に対しても同僚の女の子たちやスタッフさん、プライベートの友達とかに対しても、あっけらかんとしてるというか。例えば初めて出会った方に「職業は何ですか?」って聞かれると、「はい、ソープ嬢です」みたいなそんなスタンスなので。

 おもしろいもので、「ソープ嬢ですが何か?」で止めてた時は、「何でそんな職業を?」って思う方もちらほらいらっしゃったんですけど、「その経験を生かして性教育で色々お伝えしていています」っていうのを付け足すと、前向きのものがプラスされてるからなのか、そしてあまりにも堂々としてるからなのか、ソープというお仕事に対してネガティブな思いを私にぶつけてくる方はほとんどいらっしゃらなくなりましたね。

――あ、そうなんですね。

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美樹:逆に、ここまで堂々としてるが故に、「じゃ、こういう時ってどうしたらいいんですか?」とか、こちらが先に心を解放することで、向こうも聞きやすいんでしょうね。

 一般的に性の部分ってあまり人に聞けなかったり、こんなこと言ったら恥ずかしいって思われがちな部分だったりするけれど、ここまであからさまにオープンにしてると、この人だったら何聞いても平気そうって思われるみたいで(笑)。

――なるほど。長年ソープのお仕事されてると、変わった経験とか変なお客さんとかって…。

美樹:いっぱいいますよ(笑)、めっちゃいます!! 私の中で「うわ、この方不思議!」って思ったのは、女性用の下着をつけて真ん中に穴を開けて、そっからモノだけ出して「エヘヘ」っていう、ちょっとM寄りなお客さん(笑)。あと、見た目でびっくりしたのは、真珠30個…。

 オチンチンに3段ぐらいの輪っか状で30個入れてた方。もいらっしゃれば、プレー終わってシャワー浴びるじゃないですか。そのシャワー浴びたあと、帰る直前にまた全身ベロベロに舐めさせて、その香りを残したまま帰りたいっていう方とか(笑)。

――変態ですね~(笑)。

美樹:いっぱいいすぎて、感覚も麻痺と言うか(笑)。

――ある意味、職業病ですかね(笑)。そもそも、風俗を始めたきっかけって何だったんですか?

美樹:ひとことで言えば、借金を返すためですよね。

――水商売とかそういうのは考えなかったんですか?

美樹:元々、お酒があんまり得意ではないので。当時、たまたま持ってた、いわゆるレディースコミックの後ろの方にバイト募集の広告が載ってて、そこに堀之内のソープの募集があったんですよ。その中で目に付いたところに電話をかけて…。もうそれこそ、数日後に数万円の支払いをしなきゃいけないのに、手元には何もないって追い詰められた状態だったので、「飛び込んじゃえっ」みたいなね。

――その時のハードルって、かなり高かったですか?

美樹:めちゃくちゃ高かったです。なんて言うんですかね、「風俗の仕事=普通の恋愛も結婚も出来ない」っていうぐらいの決断で飛び込んだので。今でこそ少し緩和した部分もありますけど、20年前のソープって、言い方悪いですけど、汚い職業のイメージというか…。私自信、そう思う部分があったので、「私は落ちていくんだ」ぐらいな覚悟で飛び込んでみたら、「あれ?」みたいな。

――予想と違っていた?

美樹:他の手段が見つからなくて飛び込んだものの、自分が思っていた裏の世界とは違うっていう印象を受けました。女のコたちも、不器用で、逆にまっすぐな子たちが多いなって。働けば働くほど、業界に対する嫌悪感が消えていったと言うか、知れば知るほど、この人たちは天使じゃないだろうかって。

――ソープランドはどういうことをする店かっていうのは知っていたんですか?

美樹:知ってました。ただ、他のジャンル、デリヘルだったりピンサロだったりの具体的な違いはよく分かってなかったけれど、ソープは究極なんだっていう認識だけはありました。

 だからこそ一番収入も高いだろうし、一番体への負担も大きいだろう。一番リスクを負うから一番リターンが多いんだっていう認識でした。崖から飛び降りるくらいの勇気でしたね。

――大変な決断でしたね。

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※ ※ ※

 ソープランド一筋20年はなかなか続けられるものじゃない。止むに止まれぬ事情で飛び込んだ世界が、予想外に人間味あふれていて、気がつけばベテランの域に。後編は、美樹さんが進める性のセラピストとしての風俗を深掘る。

 続く…。

【後編は10日公開予定】

〈文・撮影=松本雷太〉

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