【元デリヘル店長の回想録】会長の大号令でライバル店に引き抜きを仕掛けることになり…

※イメージ画像:Getty Imagesより


 女性の働き手不足に頭を抱え続ける風俗業界。

 他店の女のコを引き抜き、自分の店で働かせるという方法を取る人間も少なくない。

 トラブルが起きやすい方法ではあるが、相手はすでに風俗で働いていることもあり、条件さえ良ければこちらになびく可能性は高い。

 ということで今回は、ライバル店にグループ総出で引き抜きをかけた時の話だ。


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「金は出してやるから、お前ら全員○○グループの○○って店で引き抜き仕掛けてこい」


 月に一回あるグループの店舗責任者会議。

 そこで会長から発せられたのは、集団引き抜きの命令だった。


「か、会長。そんなことして大丈夫なんですか?」


 鋭い眼光で周囲を見渡す会長に、私は恐る恐る質問する。


「引き抜きの時に店の名前出さなきゃ大丈夫だろ。絶対、面接決定するまで明かすなよ」


 会長の言葉に反論できるわけもなく、全員が「わかりました」と言うしかなかった。



……

 会長が退席した後、店長全員で話し合う。

 それぞれどのタイミングで電話を入れるか、そして狙う女のコを決める。

 決行日は翌日の夕方、私が狙うのは、その店のナンバー3「メル」になった。

 グループで動く作戦としてはあまりに急だが、会長の命令ならば仕方ない。

 私たちは各々店舗に帰り、スタッフらに事情を説明するのだった。

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