【元デリヘル店長の回想録】会長の大号令でライバル店に引き抜きを仕掛けることになり…



 いよいよ予約当日。

 予約の確認電話を受けたところで、事務所近くのラブホテルに先に入室して部屋番号を伝えておく。

 相手グループに面が割れている可能性を考えれば、万が一にもホテル前などで見られるわけにはいかない。


さて、どうやって仕掛けるかな…。


 そんなことを考えていると、部屋の呼び鈴が鳴った。

「こんにちはー! メルです、ご指名ありがとうございまーす!」

「あぁ、どうぞ! 入って入って!」


 メルは思っていたよりもロリっぽく、礼儀正しかった。

 なによりルックスのレベルが高く、ウチでも十分ランキングに食い込めるほどだった。


こんなかわいいコがナンバー3で止まっているなんて…。だったら、この上のふたりは…。

 正直、ライバル店のレベルの高さに驚きを隠せなかった。

 思わず黙り込んでしまうと、それを見たメルは、


「あははー、どうしたんですか? 見とれちゃいました(笑)?」


 と、笑いながら顔を近づけてきた。


「あっ、いや、ははは。そうそう、メルちゃんが可愛くてさ」

「ほんとですかー? なんかぼーっとしてたように見えましたけど(笑)」

 なかなか鋭いなこのコ。なんて感心しながら、さっそく彼女についていろいろ探っていく。


「メルちゃんって、そんなに可愛いのにナンバー3って意外だね」

「そう言ってくれると嬉しいですねー。でも、上のふたりには私じゃ適わないかなぁ」

「そんなにすごいの?」

「うん…。私も頑張ってるつもりなんだけど、やっぱりまだまだだなって思い知らされるね(笑)」

 メルは少し寂しげな笑顔を見せたが、すぐに切り替えるように声を張った。

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