チッ! またハズレかよ!!
心の中で舌打ちする筆者。やって来たカスミちゃんは、南海キャンディーズのしずチャンを一回り小さくして、小太りにさせた感じの容姿だったのだ。
だが、イメージトレーニングの甲斐あって、そんなカスミちゃんですら性欲の対象として成り立ってしまう。自分自身の想像力の強さを頼もしく思うのだった。
それによく見ると、重そうな体重に比例してオッパイのほうもかなりデカそうだ。下手すりゃHカップはあるかもしれない…。
ヨシっ! 今日は人間の女性とエッチするのではなく、オッパイお化けとエッチすると思えばいいのだ!!
無理やり口角をキュっとあげ、軽く微笑みながらカスミちゃんに語りかけることにした。
「こんばんは、カスミちゃんだよね?」
「あ、はい。そうです」
「さっき【ワクワクメール】で約束させてもらったショーイチです。今日はよろしくね」
「は、はい。よ、よろしくお願いします」
「ん? ちょっと緊張してるのかな?」
「は、はい」
「じゃ、もし嫌だったらこのまま帰ってもらっていいよ」
「え?」
「ほら、こんなキモいオッサン相手じゃ無理! とか思ったら、ゴメンなさいしていいんだよ」
「そ、そ、そんなことないです」
「じゃ、OKってことかな?」
「は、はい」
「それじゃ、歩きながら少し話そうか?」
「はい」
向こうからゴメンナサイしてくれれば、相手を傷つけずにバイナラできたものを。もっと変顔して話しかければよかったのか? なんとも複雑な胸中のまま、ホテル街に向かって歩き始めた。
相手が上玉の場合、この道中での会話をかなり重視している筆者。ここでノリ良く盛り上がることができたら、それに比例してエッチも楽しくなるからだ。
しかし、この時はどうにもエンジンがかからない。二言三言世間話しながら、ホテル街に入ってスグの激安ラブホに入ったのだった。
6畳あるかないかの狭い室内。ベッドが部屋のほとんどを占めていて、ソファなんて気のきいたものは存在していない。筆者は壁の安っぽい飾棚から灰皿を取り出し、ベッドに座ってタバコに火を点ける。
我ながらなんてわかりやすいのだろう。相手が上玉の場合は、一言謝ってから窓の付近で申し訳なさそうに一服するのだが、ハズレ女性の場合は当然のようにタバコを吸い始めるのだ。
そんな筆者を見て、カスミちゃんが話しかけてきた。