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こんにちは、マサミさん。
都内の会社員、ショーイチ・39歳です。
先ほどマサミさんの書き込みを見ました。
私も同じで気持ちいい事をして発散したい気分だったんです。
優しいくらいしか取り柄のない私ですが、マサミさんと楽しい時間を過ごしたいです。
あ!
お返事を貰えたら私の写メを送りますね。
それを見てもらってからで構わないので、検討してもらえたら嬉しいです。
では!
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サクっと書き上げ、ポちっと送信。すると、5分もしないうちに返信が届いた。
速攻で写メ付きのメールを返信し、彼女からの連絡を待つ。
今度は数分ほどで返事がきた。
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顔写真ありがとうございます。
とってもイケメンなので驚いちゃいました。
すっごくドキドキしてます♪
18時30分くらいにアルタ前で待ち合わせでいいですか?
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予想外の反応だった。社交辞令としてイケメンと褒められることは何度か経験しているが、今回は“とっても”の形容詞がついていたからだ。
ウヒョーっ! 恋の予感、キターっ!!
セフレ関係から発展して、もっと深い関係になれるのでは? 唐田えりかに似た感じのコなら、大歓迎だ。
有頂天になりながら待ち合わせ場所に向かうのだった。
アルタ前で胸をドキドキさせていると、約束の時間ちょうどにそれらしき女性を発見。
ん? アレは違うよな…
メールで聞いていたのと同じ服装をしたおデブちゃんだった。
だが、そのおデブちゃんと目が合った瞬間、向こうが軽く会釈してきた。
ふ、ふざけんなぁぁぁぁぁッ!!
胸に抱いていた淡い恋心がガラガラと音を立てて崩れていった。
そのおデブちゃんは、身長150センチくらいで推定体重は70キロを余裕で越えていそうな体型だった。
いくらふくよかな女性に理解のある筆者でも、こんなのは許容範囲の遥か向こう側だ。
蛇ににらまれた蛙のように足がすくんでしまった。
すると、向こうのほうからこちらに近づいてきた。
グヌヌヌヌっ!
ふたりの距離が縮まるにつれ、その顔も分かったきた。
唐田えりかに似ている要素は何ひとつなく、シンガーソングライターの岡崎体育をほんの少しだけ女性らしくした感じだ。
プツン!
これはもはや犯罪だ。善意の塊である筆者の心を踏みにじった罪は重い。
こうなったらただの顔パスで済ましてなるものか! さすがにブスだのデブだのと相手を罵倒することはできないが、「話と全然違うじゃん」と文句のひとつでも言ってやりたくなったのだ。
そう覚悟を決めた瞬間、目の前に立っていたマサミちゃんが話しかけてきた。