ふぅ。
挿入していた時間は1分もなかっただろう。こういう時だけは早漏体質で良かったとつくづく思う。
射精後、余韻を味わうことなくすぐにチンコを引き抜く。そして後処理を開始。
「じゃ、シャワー浴びておいで」
そう促してデートの終了を告げる。
だが、帰り支度の最中にマサミちゃんのほうからLINEの交換を切り出してきた。
こ、こいつ鋼のメンタルなのか!?
こちらのそっけない態度に気づいていないのか、思いがけない提案をしてきたのだ。
その不自由な容姿のせいで、今まで男性に優しくされたことがなかったのだろう。
満足にクンニされた経験もなかったのではないだろうか?
だが、こちらの個人情報を彼女に伝える気にはなれなかった。
「ごめん。スマホは仕事用でしか使ってないから、LINEを入れてないんだよね」
「そ、そうなんですか」
「もし連絡取りたくなったら、またサイト経由で連絡してよ」
「は、はい」
メールアドレスを教える気もなかったので、そう告げて強引に会話を終わらせる。
ホテルを出たところでサヨウナラしたかったが、新宿に不慣れだというマサミちゃんのために駅の近くまで送っていくことになった。
「ショーイチさんはこれからどうするんですか?」
「コンビニで弁当でも買って家で食べるつもりだよ」
「いつもどんなもの食べてるんですか?」
「うーん、普通だよ。カップ麺とかお弁当とかかな」
「それだと栄養が偏ったりしません?」
「どうかな? あまり気にしてないよ」
「よかったら、今度ご飯を作りに行ってあげますよ」
食事の話題をマサミちゃんのほうから振ってきたのは、自宅に行くという口実が欲しかったからなのだろうか? ずいぶんと強引な手段だ。
だが、冗談ではない!!
こちらは一刻も早く今日の出来事を記憶からデリートしたいのだ。再会の約束すらする気もないのに、自宅に押し掛けられるだなんてシャレにならない。
「ごめん。自宅には女性を招かない主義なんだ」
「そ、そうなんですか…」
まだ何か言いたそうなマサミちゃん。だが、もう我慢の限界だった。
新宿駅まではまだ遠かったが、無理やり切り上げることにした。