「さ、遠慮しないで飲んで」
「は、はい」
「今日は暑かったからね。残りのビールは冷蔵庫に入れておくね」
「あ、ありがとうございます。でも、そんなに気を使わないでください」
「気を使ってるつもりはないよ。これが俺の自然体なんだ」
「フフフ、ショーイチさんって絶対にモテるでしょ?」
「へ? もしかして酔ってるの?」
「ま、まだ飲んでませんよぉ」
「ほら、シラフのうちに俺の顔をよぉく見て」
「え?」
「顔にスケベって書いてあるでしょ? こんなのがモテるわけないでしょ?」
「またまたぁ。それって謙遜ですよね?」
「違うって。だって彼女いない歴は10年以上もあるんだから」
本当は彼女いない歴が50年になる筆者。
しかし、それを正直に告げたらドン引きされるだけだろう。そこで、見栄を張って「彼女いない歴は10年以上」と伝えたのだ。
まぁ、決してこの言い方も嘘ではないので、罪悪感はこれっぽっちもない。
「フフ、それじゃあいただきますね」
「うん。グイっといっちゃってよ」
グビグビと喉を鳴らしてビールを流し込んでいくマホちゃん。なかなかの飲みっぷりだ
「お酒はよく飲むの?」
「お休みの前の日にはよく飲んでますね」
「酔うとどうなっちゃうの?」
「え?」
「ほら、笑い上戸とか泣き上戸とかあるでしょ?」
「そうですねぇ。飲むとエッチな気分になるほうです」
「ほほぅ、即答したね」
「え、変ですか?」
「ううん、正直でいいと思うよ」