「それにしても、ふたりとも俺のコラムを読んでいたなんて、すごい偶然だったね」
「そんなに意外なことですか?」
「だって、“メンズ”サイゾーっていうくらいだから、男性向けの記事ばかりでしょ?」
「でも、読んでる女性は結構多いと思いますよ。ほかの友達に聞いても知ってたくらいですし」
「そうなんだぁ」
「それに、ショーイチさんは何人もの女性読者さんと会ってるじゃないですか」
「う、うん。まぁね。でも、こうして女性読者ふたりと同時に会うのは初めてだよ」
「あれ? 3人でデートする話も過去に何度かありましたよね?」
「うん。でもあれは、出会える系サイト遊びでの話だったんだ。だから、実は今、かなり緊張してるんだよ」
「えぇ? ショーイチさんでも緊張するんですか?」
「そりゃそうだよ。S子ちゃんとY子ちゃんみたいにイイ女を目の前にして、緊張しないわけがないでしょ」
「また褒めてくれたぁ」
「だから、褒めてなんかいないって。事実をそのまま口にしてるだけだって」
「フフフ。本当に想像通りの人ですね」
「それにしても、ふたりとも変わってるね」
「え?」
「こうやって同時に俺と会おうだなんてさ」
「そんなことないですよぉ。やっぱり1対1には抵抗あるので、私たちにしてみたら他の女性読者さんのほうがすごいと思います」
「そういうものかなぁ。でも、ふたりとも人妻でしょ? 本当は誰にも知られたくないんじゃない?」
「フフフ。それはそうかもしれませんね。でも、ふたりともショーイチさんのコラムの読者だと分かってテンションがあがっちゃったんです」
「ノリのまま俺にメールしてきたってこと?」
「はい。ショーイチさんの写メを貰って、無理そうなら断ろうと思ってました」
「なるほどね。それじゃあ、俺の顔写真を見て、かろうじてセーフって判断してくれたんだ」
「かろうじてじゃないですよ。想像よりもずっと優しそうだったので、ふたりでビックリしましたから」
「で、実際の俺はこんな感じだけど引いたりしてない?」
「はい。もちろんです!」
「ありがとう。ちなみに、今日は何時くらいまでに新宿駅に戻っていれば大丈夫なのかな?」
「だいたい16時くらいに戻っていたいです」
「いま13時だから3時間弱って感じだね」
「ショーイチさんは大丈夫ですか?」
「ん? 何が?」
「その時間で私たちとデキますか?」
「余裕だって! 1日に5回することもできるんだからさ」
「本当にすごいですよね。たしか50歳なんですよね?」
「うん。S子ちゃんとY子ちゃんみたいにいい女だったら、新記録を作れそうな気もしてるよ」
「ええっ? もっとできるってことですか?」
「もちろん時間さえあればってことだけど。ひとりと3回する計算でいけば、6回は余裕だね」
「す、すごいです」
「でも、今日は時間が短いから1回ずつって感じかな」
「はい。それでも十分です」