「ショーイチさんってLINEしてます?」
「えっ? LINEってスマホの?」
「はい。良かったらID交換しません?」
「ご、ゴメン! 俺ってガラケーだからLINEとかしてないんだ」
「へぇ、そうなんですかぁ。残念だなぁ」
ガラケーを使い続けて20数年。ただの一度も不満に思ったことはないが、この時ばかりは大後悔。
LINEをやっていないせいでミナミちゃんとの再デートがポシャってしまったら、どうしよう!!
今にも泣き出しそうな顔になっていたに違いない筆者に、ミナミちゃんは次善の策を提示してくれた。
「じゃあ、私のGmailを教えるので、ショーイチさんからメールしてもらえます?」
なんて優しくて機転の利くコなのだろう!!
そして、ミナミちゃんは口頭でアドレスを読み上げてくれた。その場で教えられたメアドにメールを送信し、無事、連絡先交換に成功するのであった。
「ありがとう、ミナミちゃん」
「こちらこそ、とても楽しかったですよ」
「でも、エッチでイケなかったでしょ?」
「うーん、まだイッたことがないからよく分かんないです。でも、すっごく気持ち良かったですよ」
「そりゃ良かった!! 次はもっと時間をかけて愛してあげたいな」
「はい。また楽しく遊びたいですネ」
その後、駅の改札まで彼女を見送っていく。
「じゃ、今度メールしますね」
そう言いながら、ミナミちゃんは軽く会釈して改札の向こうに消えていった。
彼女のほうからメールすると言っていたので、コチラからメールするのはいかがなものか。でも、できるだけ早く再会したいし…。
携帯を片手に、今現在もまごまごし続けている筆者。齢50を目前にした身でありながら、18歳の小娘に惑わされるとは…。生まれ変わっても同じような人生を歩みたいものである。非モテの負け組でも構わないから!!
(文=所沢ショーイチ)