「美人」の肩書きは邪魔!? 女芸人のジレンマと微妙な立ち位置

tomotika0715main.jpg※イメージ画像:『人生かぞえ歌』よしもとアール・アンド・シー

 7月14日に放送された『ボクらの時代』(フジテレビ系)に友近、アジアン・馬場園梓、ハリセンボン・近藤春菜という女芸人たちが出演した。同番組は毎回、さまざまなジャンルで活躍する3人が台本もMCもなしで自由にしゃべり続けるトーク番組。ゲストの共通項は映画や舞台での共演や同級生などさまざまで、意外な一面や素顔が垣間見える番組である。

 吉本興業所属という共通点だけでなく、馬場園が「数多い女芸人の中でもすごく気が合う」というだけあって、3人は仕事の悩みから私生活に至るまで、終始リラックスした素の語りを見せてくれた。当然、話題は女芸人ゆえの苦労にもおよび、近藤が「(女芸人って)大変でしょ?」と言われることに対して「それ言うことって失礼だよって思うことがある」と本音を語り、友近は「美人芸人」という肩書きがつくことに「やっぱそれって邪魔する部分がある」「あれやっかいやな」とやりづらさを見せた。

「友近はその理由に『お高くとまってるキャラだと思われる』ことなどを挙げていましたが、女でありながら体を張った芸を見せる森三中を見てもわかるように、『芸人ならば女を捨てろ』という風潮は確かにありますからね。一時期は青木さやかや北陽・虻川美穂子が『言動が女を前面に出していてつまらない』と言われていましたが、『女』と『芸人』のバランスをうまく取っていたのが友近。番組でも『芸人界のセックスシンボルですとか、自分で言うことでネタにしていかな』と言っていましたが、それでもやはり本気で嫌そうでした。芸人を踏み台に女優やタレントを目指すような心づもりならまだしも、友近ほどの芸達者は純粋に芸で評価してほしいという気持ちが強いのかもしれませんね」(芸能ライター)

 友近は「よしもとべっぴんランキング」2010で1位に輝いているが、その後2011から2013まで3年連続で1位なのが馬場園。その馬場園も、べっぴんの称号を得たことで「なんで、おまえやねん」「なんであいつがいい女ぶってるのか、まじわからない」と言われるという悩みを告白。さらに、笑いにもっていこうといい女キャラを演じても「それを真に受ける人がいる」と、その立ち位置の難しさを語っていた。

「吉本興業には女芸人で結成されたユニットの『すず』があります。所属しているのはハリセンボンの近藤と箕輪はるか、渡辺直美、南海キャンディーズ・しずちゃん、アジアンの馬場園と隅田美保、まちゃまちゃの7人。その中でも馬場園はダントツにかわいいとネット上で言われたりもしていました。最近のぽっちゃり女子のブームにも乗っているのかもしれませんが、馬場園にしても友近にしても芸人の中できれいなだけであって、女優で勝負できるほどの美貌ではない。当然、本人たちもそれをわかっているからこそ笑いに昇華させたいのでしょうが、それがうまくいかないのはジレンマでしょうね」(同)

 ちなみに、友近はひかれる相手を「お笑いの価値観が一緒の人」と語り、今の彼氏について、昔は「ケンカっぱやくて(おもちゃの)刀をよく振ってた」と打ち明けた。馬場園も交際相手のWエンジン・チャンカワイのことを「現代のこの世にいる男の人の中で、群を抜いてピュアな部分がすごいある」と評するなど、ゾッコンの様子。その中で、たとえ男性に好意を寄せられても素直に受け取れないと語った近藤は、以前クラブでテキーラを一気飲みし、激しく踊りまくっていた姿が目撃されている。30歳の近藤は「29で覚えたので、お酒のせいにできるというか」と語っていたが、独り身のさびしさは酒でまぎらわせているといったところだろうか。

 番組中で馬場園が「男芸人に比べて数は少ないけど、いろんなジャンルがある」と評した女芸人たち。今年の『27時間テレビ』(フジテレビ系)では、ハリセンボンを始めとする女芸人総勢11名がメインパーソナリティを務めるなど、その人気は衰えないが、どんぐりの背比べ的な構図であるともいえる。群雄割拠の女芸人たちの中で、誰がどんな武器を使って頭ひとつ抜け出るか見ものである。
(文=津本ひろとし)

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