精力剤の「無料サンプル進呈」はどれほど信用できるのか

seiryokuzai0928.jpg※イメージ画像 photo by Peachcult from flickr

 雑誌やネットの専門サイトなどに、精力剤の「無料サンプル進呈」という類をよく見かける。この場合、精力剤と言っても医薬品ばかりではなく、サプリメントや健康食品も含まれる。要するに「飲んだり食べたりすると精力が増進する」というような効果が期待できたり、またはその可能性があるようなものを指すものである。

 この種の精力増進系サプリメントだが、概して高額である。なかには1ビン何万円もするものも少なくない。なかには安価なものもあるが、高額商品が圧倒的に多い。これでは、なかなか気軽に「買って試してみよう」とはいかないだろう。

 そこで登場するのが、サンプル的にバラ売りする「お試し品」や、無料サンプルなどである。よく探せば「無料サンプル・送料当社負担で進呈」という告知や広告が 夕刊紙やスポーツ新聞、さらにインターネットの専門店サイトなどで見つけることができる。

 そこで、早速いくつか試してみた。

 まず、某夕刊紙に載っていた広告である。1箱4錠入りで3,000円の製品を、「サンプル2錠を無料進呈」という。1錠あたり750円なので、1,500円相当の精力剤がもらえることになる。申し込みは、電話、FAX、メールのいずれでも受け付けているという。ここには、FAXで申し込んでみた。

 すると、10日ほどでエアメールが届いた。差出人を見ると、全部中国語なので分からないが、発送地は香港だった。その中身は、8センチ×4センチ、厚さが1センチほどの小さな赤い箱で、確かに該当する精力剤らしきものが2カプセル入っていた。とりあえず、買えば1,500円相当の精力剤の無料サンプル送付は本当だった。

 次に試してみたのは、ネットで見つけたショップである。実際の店舗とウェブサイトでの通販も手がけている店だった。こちらは栄養補助食品で、やはりサンプル・送料ともに無料で送ってくれるとのこと。申し込みはやはり各種受け付けており、こちらはメールで申し込んだ。

 すると、1週間経たないうちに普通郵便で封書が届いた。開封すると、「無料サンプルをご注文いただき、ありがとうございました」というあいさつ状と、1パック4錠入りサンプルが3パック入っていた。見れば、パッケージに「¥525(税込)」と印刷されている。3パックなので、やはり本体価格が1,500円相当である。

 実際の商品の外見などはともかく、買えば1,500円はするというものをもらうと、やや得をしたような気分になる。おそらく、そういう心理を狙っているのであろう。

 では「無料サンプル進呈」という類はどれも簡単に信用してよいのだろうか。実は、なかにはやや注意を要するものもあるようだ。

 上記件とは別の事例。インターネットで見つけた通販ショップで、やはり無料サンプルプレゼントという告知があった。「毎月100名様に抽選で」とある。だが、応募者の名前とメールアドレスを書き込む欄しかない。名前も「ハンドルネームも可」となっている。

 何とも簡単だなと思いつつ、名前とアドレスを記入して送信。応募が完了した。名前も、面倒なので本名を書いた。

 すると、2週間くらい過ぎた頃だろうか、「当選のお知らせ」などというメールが届いた。開封すると、「7月賞品募集を参加しいただきまして、誠にありがとうございます。厳正な抽選の結果、当選者は以下の方々に決定いたしました」などと記され、その後に当選者の名前がズラリと列記してあった。どうやら、当選者全員に同じメールを送っているようだ。筆者の本名も、当選者たちにさらしものである。

 さらに、問題はその次だった。

「プレゼントはもちろん無料ですが、プレゼントだけでお送りしましたら、送料1,200円の分は当選者にて負担させていただきます、予めご了承お願い申しあげます」

 そして、メールには送料の入金先として銀行口座が明記してあった。

 なるほどと思った。プレゼント品というのは、それほど大きなものでも、重いものでもない。にもかかわらず、送料1,200円はどう考えても高すぎる。要するに、商品は無料にして送料や梱包代で少しでもカネを取ろうという魂胆だろう。

 もちろん、筆者は名前や住所などを送ることはなく放置した。だが、2カ月以上経っても業者から催促などは一切ない。業者のほうも、広告のような感じでやっているのではないか。「当選者」を連発して、送料の名目で1,200円取れればいいという程度なのでは。

 ほかにも、請求しても関心のサンプルは送られてこないで、変なメルマガばかりが送りつけられてきたという報告もある。

 余談であるが、精力剤や精力増進サプリメントといったもの、さらに市販されているドリンク剤なども含めて、「値段が高ければ効く」というものではなさそうである。その効くとか効果のほどはかなり個人差があるようだ。かなり高額のサプリメントでも、「まったく効かない」「コーヒーでも飲んだほうがマシ」という話はよく聞く。反対に、たとえ安いものでも効果のある製品は少なくない。知人が「これは効くぞ」という某健康食品は、300粒入りで価格は1,500円程度。1粒がおよそ5円程度だが、「1日4粒で十分だ。調子がいいと、1日2粒でも」と話す。安いからと言って、バカにしてはいけないということだ。
(文=橋本玉泉)

『絶倫老人』

 
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