今夏、女性をラブホテルに誘いやすくなる!?

ninkiloveho0711.jpg※イメージ画像:『首都圏人気のラブホBEST77』/講談社より

 7月に入り、今年の夏が”節電の夏”であることをひしひしと実感させられているという人も多いだろう。電力の大口需要家……いわば大手企業に対して、7~9月の平日は、昨年の夏の使用電力から15%の節電が義務付けられている。さらに、故意による違反に対しては100万円以下の罰金が科せられるということも、連日の報道ですっかりおなじみだ。「俺が勤めているのは中小企業だから、オフィスでの節電はさほど厳しくない」という人も、カフェや居酒屋などの飲食店に入ると、世の中が節電モードであることを痛感するのではないだろうか。

 暑い! とにかく暑いのである! 電力制限実施初日の7月1日夕刻、新大久保駅前のハンバーガー店に入ったところ、冷房の温度を高めに設定しているらしく、店内は蒸し風呂状態。アイスコーヒーでも飲んでひと休みしようと入店したのに、これではひと息つくどころではない。屋外のほうが涼しいくらいだ。店内の客たちからも、口々に「冷房効いていないのね」というぼやきが漏れ聞こえてくる。暑さのせいか、オーダーした食べ物や飲み物を完食せずに立ち去る客も見受けられた。

 翌日、東武練馬駅前にて、前日と同系列のハンバーガー店に入ったのだが、電力制限の対象である平日でもないのに、なぜか冷房は省エネモード。店内ではくつろげないと判断する人が多いのか、イートインよりもテイクアウトの注文が多いようだ。客席が、通常より空いているように感じるのは、明らかに気のせいではない。アイスコーヒーでも飲んでひと休みしようと入店したのに、前日同様ひと息つくどころではなかった。

 節電が義務付けられているという事情はよく理解できるのだが、飲食店で支払う代金には、食べ物代や飲み物代の中に、店内でくつろぐぶんの料金も含まれているはずだ。同じアイスコーヒーでも、蒸し風呂状態の店内で飲むアイスコーヒーと、冷房の効いた店内で飲むアイスコーヒーは値段が違うべきだ! と思う人もいるのではないだろうか。看板や照明の節電はまだしも、室温に関する節電はほどほどにして頂きたい、というのが一般市民の本音であろう。

 もちろん、違反に対して罰金を科せられてしまう企業側を責めるのはあまりにも気の毒だ。しかしこれでは、外食をしようという人がどんどん減り、食事や飲酒は、自分の意志で室温調節できる自宅で済ませようという人が増える一方である。

 ということは、客が”自分の意志で室温調節できる”店舗は、売り上げダウンの心配が少ないということになる。その代表格は、なんといってもラブホテルだろう。「外で飲んでもどうせ暑いし……」という理由から、コンビニで買った缶ビールやツマミをラブホテルに持ち込み、快適な室温の中で、DVD鑑賞やカラオケを楽しむという男女が急増するのではないかと考えられる。尚、DVD鑑賞やカラオケだけでなく、性行為も楽しめるというのはいうまでもない。

 そういった観点から見ると、今年の夏は男性にとって、女性をラブホテルに誘いやすい好機であると言えるだろう。ひと昔前には、「どうしても見たいテレビがあって……」「急にトイレに行きたくなっちゃった」などが、女性をラブホテルに連れ込むお決まりのセリフだったが、これからは「自分の意志で室温調節できるとことに行こう!」という誘い文句が定番化するかもしれない。注意点としては、自分の意志で室温調節できる場所なら、何処でも性行為をしてもいい、という意味ではない。例えば、カラオケボックスも各個室で温度調節できるところがほとんどだが、だからといってカラオケボックス内で性行為まで済ませようとするのは、店側に対しても、女性側に対してもルール違反である。

 大手企業が経営する飲食店への客足が遠のき、日本全体の消費が落ち込むよりは、ラブホテル需要で日本の景気が盛り上がってくれれば、結果オーライといえるのではないだろうか。コンビニ袋片手にラブホへ入る男女によって、この夏の消費が活性化されることを期待したい。

(文=菊池 美佳子)

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