脱サラ・風俗素人は要注意 見よう見まねで失敗した風俗店開業

 かつては風俗店営業というと、非常に特殊なものというイメージが強かったように思うが、現在ではそうしたイメージもかなり変化したようである。特にデリヘルが合法化された頃からそうした傾向が強まり、脱サラして風俗を経営しようというケースが増えていったとも言われている。

 しかし、起業には失敗という側面もつきものである。特に、風俗でろくに遊んだこともないような人が、風俗の特徴などを知らずに開業してしまい、とんでもない失敗をするケースも少なくない。

 たとえば、実際に起きた話。今から7年ほど前、まだ「大人のパーティ」が都内でも数多く営業していた頃のこと、ある男性が「儲かりそうだ」というので、見よう見まねで開業した。大人のパーティの経営は、それほど難しいことではない。場所の確保と女性の調達並びに管理、そして金銭管理の3つがキチンとできればよい。

 しかしこの男性、場所選びを間違えた。

 マンションで営業するタイプの風俗店は、たいていがかなり大型のマンションで開業している。十数階建ての高層マンションも珍しくない。これには理由がある。まず、世帯数が多いマンションのほうが、より人間関係が希薄なので気兼ねなく営業できること。そして、大型マンションは防音などの点で優れているからである。外や隣室に音や声が漏れるようでは、何かと問題が出てくる。

 ところが、先の男性はこの原則を無視して、というよりもまったく知らなかったのであろう、JR田端駅から徒歩数分の、普通の2DKのアパートで大人のパーティの営業を始めてしまったのである。

 すると、昼間から入れ替わり立ち代りいろいろな男性がやってくる。そして、壁越しやベランダ伝いに、女性の悩ましい声まで漏れ聞こえてくる有様。そんな状況を、ほかの入居者が黙って見ているはずがない。たちまち通報され、わずか数日で廃業となってしまったらしい。

 ちなみに、風俗店を開業するために既存の業者に教えを請うことはよくあることのようだ。以前、ある大人のパーティの経営者に聞いたところでは、「うちにもよく、やり方(営業システム)を教えて欲しいと人が何人も来た」という。やはり、知識も経験もないまま、見よう見まねではリスクが大きいようだ。

 一方、そんな風俗アントレプレナーを狙った詐欺まがいの連中もいるらしい。デリヘルを開業しようと物件等を探しているような人に近づき、「廃業したデリヘル事務所の物件ありますよ。営業許可はもちろん、顧客リストや女性までおつけします」などと言って、数百万円を騙し取るという。もちろん、すべてデタラメである。待っているだけで向こうからうまい話がやってくるなんて、そんなことは風俗に限らずあり得ないのである。
(文=橋本玉泉)

『こんなにオイシイ!フーゾク起業―年収3000万!1人ビジネスの裏ワザ』 著:月草志郎

どの世界も大変です

amazon_associate_logo.jpg

men's Pick Up