思春期男子の股間をアツくした伝説のマンガ復活!! オナ禁に身を投じるファンも……

oyamakiku.jpg『オヤマ!菊之助 19巻』(瀬口たかひろ/秋田書店)

 10年以上前、日本中の中学・高校で、「こんなのありえねえよ」「くだらねえ」などと突っ込みながらも、毎週かぶりつきでマガジンを読む男子たち――。こんな光景を生み出していた、伝説の恋愛オムニバス漫画『BOYS BE…』(イタバシマサヒロ原作、玉越博幸作画/講談社)が、今年Webコミック『BOYS BE…2009』として、そして先月発売の「月刊マガジンSPECIAL」(同)より『BOYS BE… next season』として復活し、多くの漫画ファンの間で話題になった。

 しかし、1996年から2001年にかけて、「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)にて連載されていた、より実用的なラブコメ漫画『オヤマ!菊之助』(同)をご存知の方は少ないかもしれない。

 作者の瀬口たかひろは、現在は「ヤングアニマル」(白泉社)誌上で『死に至る病』、「ヤングアニマル嵐」(同)にて『オレたま ~オレが地球を救うって!?~(以下、「オレたま」)』、「増刊ヤングガンガン」(スクウェア・エニックス)にて『僕のアイドロイド』を連載中の売れっ子漫画家。女性キャラの描写には定評があり、特に『ユリア100式』(白泉社)を筆頭にエロコメディの作劇に定評のある原田重光原作の『オレたま』では、毎回気持ち良いくらいのサービスシーンをこれでもかと見せてくれている。


 そんな瀬口の初の長期連載となった『オヤマ!菊之助』は、歌舞伎の名門藤井一座の跡取りである主人公の藤井菊之助が、女形の修行のために、父親の命によって入学した女子高で、様々なお色気要素てんこ盛りのドタバタを繰り広げるコメディー作品だ。マガジンとチャンピオンの読者数の絶対差もあってか『BOYS BE…』ほどの知名度はないものの、『オヤマ!菊之助』は、とにかく「少年誌の限界に挑戦!」といわんばかりの積極的なお色気描写を展開していた。連載当時にチャンピオンを手に取っていた思春期まっさかりの少年たちは、明らかに挿入目前のシーンが頻発する盛りすぎ感満載の同作に、心と股間を熱くしていたに違いないのである。

 そんな『オヤマ!菊之助』が、11月19日発売の「週刊少年チャンピオン」No.51にて、チャンピオン創刊40周年を記念した名作読み切りシリーズ(余談だがNo.41に掲載された『Let’s ダチ公』は必見)として1話限りの復活を果たす。アオリ文は「H度MAXの新作描き下ろし!!」「日本中の男子♂をトリコにした あの…あの!! 学園ラブラブ・エロコメディー復活(ハートマーク)」。さすが秋田さん、分かっていらっしゃる。ネット上では復活を祝し、発売日までオナ禁宣言をする猛者まで出た始末だ。

 現在では「スク水ホルダー」や「おさいふブルマ」などの付録で業界を震撼させた「チャンピオンRED いちご」など、大きいお友達とガッチリタッグを組んでいる印象の秋田書店。だが、個人的には、秋田書店ないしはチャンピオンが、萌えとお色気要素を意欲的に導入するようになった大きな契機として、『オヤマ!菊之助』は漫画史に残るべき作品であると考えている。私も遅ればせながら、オナ禁に参戦して待たせていただきました!! では、いざ!
(文=B.I.Sachiko)

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