セックス体験談|mixiで出会った女#1

隔たりセックスコラム「mixiで出会った女#1」

隔たり…「メンズサイゾーエロ体験談」の人気投稿者。マッチングアプリ等を利用した本気の恋愛体験を通して、男と女の性と愛について深くえぐりながら自らも傷ついていく姿をさらけ出す。現在、メンズサイゾーにセックスコラムを寄稿中。ペンネーム「隔たり」は敬愛するMr.Childrenのナンバーより。

性愛コラム『聖夜と性夜~恋人のいないクリスマス~』の画像1
※イメージ画像:Getty Imagesより

 小さい頃、クリスマスはサンタさんがやってくる特別な日だった。

 朝起きると、枕横にプレゼントが置いてある。自分の欲しいものが望み通り手に入る、一年に一度しかない特別な日。天から贈り物が届いたような神秘的な感動は、クリスマスという日を特別にしていた。

 でも、今はどうだろうか。ワクワクと喜びを与えてくれたクリスマスはいつか、恋人たちがデートをするものという安っぽい日に変わってしまった。子どもの頃の夢見た気持ちは、大人になった今、すっかりと消えてしまった。

 クリスマスになると、当たり前のように街がイルミネーションで煌めき始める。そして、寒い街を暖かな雰囲気に照らしてくれる光は、無意識に、そして残酷に世の中の若い男女を二分化する。

 イルミネーションの輝きに照らされる男女。またの名を、リア充。そして、そのイルミネーションの前に立つことなく、光に照らされることない男女。非リア充。

 11月も終わり頃になると、年明けの「あけましておめでとう」と同じくらいに、「今年もクリぼっちだ」という言葉が溢れ出す。「それ、去年も言ってたじゃん」とは誰も言わない。商業的戦略としての「クリスマス」だとは分かっていても、非リア充たちは人肌恋しくなり、誰かと一緒にクリスマスを過ごしたいと思ってしまうものだ。

 

 アユミという女性と出会ったのは、そんなクリスマスが近づいてきた大学3年生の12月頃だった。その時、僕には恋人がいなかった。いわゆる非リア充だった。

 ちなみに1年前のクリスマスには恋人がいて、ホテルに泊まり、リア充な夜を過ごした。その子とは暖かくなってきた春先に別れた。

 当たり前だが、たとえクリスマスを一緒に過ごしたとしても別れは来てしまう。それでも、人々は皆、クリスマスを恋人と一緒に過ごしたいと思ってしまう。

 

 アユミとはmixiで知り合った。

 

 mixiには足跡機能というものがあり、どんな人が自分のプロフィールを見てるか確認することができる。12月に入ったばかりの頃、何気なくmixiの足跡機能を確認すると、そこに「アユミ」の名前があった。

 アユミのプロフィールに飛ぶと、顔写真が載っていた。黒髪のロングで優しいお姉さん系の雰囲気をしていた。年齢が一緒など共通点が多く、住んでる場所も近かったので、僕はアユミにメッセージを送った。それがきっかけとなり、僕とアユミは毎日数多くのメッセージを交わすことになった。

 

「もうすぐクリスマスだね」

「そうだね。アユミさんのクリスマスの予定は?」

「ボッチだよ~。隔たりくんは?」

「僕もボッチです」

「寂しいよね~。もし互いに恋人できなかったらデートする?」

「お! それ名案ですね」

「でも、恋人ができなかったら、ね?」

「そうですけど、あと3週間くらいしかないですよ?」

「何が起こるか最後までわからないでしょ」

「そうですね。でも、僕は何も起きなくていいかも」

「どーゆうこと?」

「そしたらアユミさんに会えるので」

「私に会いたいの?」

「そりゃ、会いたいですよ」

「えーどうしよっかな」

「そしたらクリスマス前に一度お会いしませんか?」

 

 そう誘うとアユミは簡単に了承してくれた。そうして僕らはクリスマスの約2週間前に会うことになった。

 アユミと会う2日前、声が聞きたいと言われたので、僕は電話をかけた。

 

「もしもし」

「もしもし。わあ、隔たりくんだ」

「そうですよ」

「なんか声聞くと緊張する」

 

 簡単に自己紹介を済ましたあと、話題は明後日のデートの話になった。

 

「アユミさんはどこか行きたいとかありますか?」

「んー。それよりも隔たりくんに会うのが緊張して」

「僕もですよ。クリスマスデートですもんね」

「クリスマスデートとかやばーい。イチャイチャしたくなる(笑)」

「え、それってキスとかしたいってことですか?(笑)」

「キスとか言ってないじゃーん」

「でも、僕だっていちゃいちゃしたいですよ」

「えー本当?」

 

 鼓膜に響くアユミの声に、僕はドキドキした。クリスマス、デート、いちゃいちゃ。聖なる夜が過ごせるのではないかと、期待が高まってくる。

 

「はい。イチャイチャしたいです」

「やば、恥ずかしい」

「クリスマスって人肌恋しくなりません?」

「確かに…」

「アユミさんとイチャイチャできたら、僕は嬉しいな」

 

 電話越しからでもアユミの照れてる様子が伝わった。拒まれる雰囲気が全くない。

 

「でも、イチャイチャってどこでするの?」

「ホテルとか?」

「めっちゃストレート(笑)」

「あ、何もしないですよ。イチャイチャするだけです」

「そのイチャイチャって何よ(笑)」

「ハグとか?」

「本当?」

「はい、ハグです」

「…じゃあ、いいよ」

 

 そう言って、アユミは恥ずかしそうな声で笑った。自然と僕の顔もニヤけていた。こうして非リア充の僕は、クリスマス前に、アユミとホテルに行くことになった。

 当日、渋谷駅ハチ公前でアユミを待った。目の前を通る人は皆、コートやマフラーに身を包み、寒さをしのいでいる。カップルたちは体を寄せ合って温め合っている。同じ寒さの中にいるはずなのに、カップル達がいるところだけが温かいように見えた。

 

「あ、隔たりくん」

 

 声の方へ顔を向けると、そこにグレーのロングコートと茶色のマフラーに身を包んだアユミが立っていた。ロングの黒髪は画像で見たときよりもツヤがあって綺麗だった。

 

「アユミさん。想像以上にきれいでびっくりしました」

「えー恥ずかしいからやめてよ」

「ごめんなさい。それじゃあ行きましょうか」

 

 そう言って、僕とアユミはスクランブル交差点を渡り、道玄坂を登った。

 男女ふたりが、クリスマスの時期にラブホへと向かう。手を繋いではいなかったが、周りから見れば僕らもリア充かなと、ふと思った。

 

「寒いですね」

「ね、寒い」

「手…繋ぎます?」

「え!?」

「そっちの方があったかいかなと思って。ダメですか?」

「ダメじゃないけど…」

「じゃあ、手、繋ぎましょう」

 

 僕はアユミに手を差し出す。アユミはコートの袖に隠していた手をヒョコっと出して、僕の手を握った。

 アユミの手が冷たかったので、僕はそのまま手を握りながら自分のコートのポケットの中へと入れた。自然にアユミとの距離が近くなる。

 

「あったかい」

「そうだね」

「なんか距離が近いから恥ずかしい」

「確かに、僕もドキドキしてます」

「ほんと?」

「ほんとですよ!」

「見えないなあ」

「えー。でも僕ら、周りから見たらリア充に見えてますかもね」

 

 アユミがキョロキョロとあたりを見渡した。

 

「確かに」

「これからリア充っぽいことしますか?」

「リア充っぽいことって?」

「アユミさんが言った、イチャイチャですよ」

「もう…イチャイチャだけだからね」

「わかってますよ。…あ、着きました」

 

 お目当のホテルに到着し、僕らは手を繋いだまま中に入った。そして部屋を選んでフロントで会計をし、鍵をもらってエレベーターに乗った。

 

「なんか久しぶりに来た」

「そうなんですか?」

「うん。だからなんか、ドキドキする」

 

 アユミはエレベーターの階数の表示が変わるのを見ながらそう言った。マフラーに顔が埋まりながら少し上を見つめる姿に、僕はドキドキした。可愛いなと思った。

 

「わあ、あったかい」

「あ、コートもらうよ」

「ありがとう」

 

 部屋に入ると、僕はアユミからコートとマフラーを受け取り、ハンガーにかけた。僕もコートを脱ぎ、ハンガーにかける。

 

「わあ、なんかドキドキしてきた」

 

 コートを脱いだアユミは、白と黒のボーダーのニットを着ていた。体型を隠すようなダボっとしたタイプの服だが、そんな服装からでも、アユミの胸が大きいということがわかった。

 

 ベッドに二人で並んで座る。

 

「ドキドキしてきた?」

「うん。こういうところ来るの久しぶりで」

「なんでここに来たんだっけ?」

「ん? なんで?」

「忘れたの? アユミさんがイチャイチャしたいっていうからここに来たんだよ」

「そうだけど。ホテルは隔たりくんが言った!」

「ごめんごめん、そうだったね。それじゃあ、イチャイチャする?」

 

 アユミの手の上に手を重ね、目を見つめる。

 

「えっとお」

 

 アユミは恥ずかしそうに目をそらした。それでも見つめ続けていると観念したのか、諦めたようにこちらを見つめてきた。

 

「イチャイチャだけだからね」

「はい。イチャイチャだけです」

 

 そうして僕らの唇はゆっくりと重なり合った。

 

 アユミの唇は濃厚な大人の味がした。イチャイチャだけをしにきた人がつけるリップではないなと、なんだか嬉しくて笑いそうになった。ねっとりと濃密な快楽へと誘うような味。気付けばすぐに、アユミの口の中に舌を差し入れていた。

 アユミが侵入してきた僕の舌に、ねっとりと自分の舌を絡ませてきた。イチャイチャとは、ちゅっちゅと唇を当てるような、可愛らしい雰囲気のことではないのか。そんなことが頭をよぎりながらも、僕もねっとりとアユミの口内を汚していく。

 キスをしながらアユミの胸に触れた。予想通り、アユミの胸は大きかった。Eカップぐらいだろうか、ずっしりとしたボリューム感が手に伝わる。円を描くように胸を揉むと、アユミの口から吐息が漏れ始めた。

 

「ん…はぁ…ん…はぁ」

 

 すると、アユミは僕の股間を撫でた。

 

「え、これはイチャイチャ?」

 

 そう意地悪に尋ねると、アユミは触れていた手を引っ込めた。

 

「…イチャイチャじゃない」

 

 しかし僕はアユミの手を取り、再び股間に触れさせた。

 

「これも、イチャイチャにしよう」

 

 そう言ってアユミにキスをする。「ん」とアユミは喘ぎ声をあげながら、モノを撫で始めた。ズボンの中でモノはあっという間に大きくなっていく。あっという間に、気持ちも昂ぶっていく。

 

「ごめん、直接触っていい?」

「…いいよ」

「これもイチャイチャだから」

 

 なにそれ、とアユミは笑った。その表情にキスをする。唇を離すと、照れたような表情で、またアユミは笑っていた。

 アユミの服を全て脱がし、下着姿にさせる。ふくよかなバストが下着から飛び出そうなほど盛り上がっている。お腹の肉付きがよく、全体的にぽっちゃりとした体型だが、それがよりエロさを増幅させていた。

 僕も服を脱いでパンツだけになり、アユミの胸を揉んだ。

 

「大きいね」

「そう?」

「うん、大きい」

 

 僕は下着をずらし、乳首を露出させた。少し大きめの乳輪が綺麗な円を描いている。僕は指先でその円をなぞった後、舌でもその道筋をなぞった。そしてツンと勃った乳首を口に含む。

 

「あん…」

 

 アユミの口から可愛い喘ぎ声が漏れた。僕は口いっぱいに胸を吸い、口の中で乳首を転がす。甘いとかしょっぱいという味は確認できないのに、「美味しい」という感覚が脳内を駆け巡った。美味しい、美味しい、もっと食べたい。僕はアユミのブラを剥ぎ取り、両胸にむしゃぶりついた。

 

「あっ、やばいっ、感じちゃうっ」

 

 アユミはビクビクと体を震わせる。僕は乳首から口を離すと、両手でアユミの両胸を中心に寄せた。そしてそこに出来上がった美しい谷間に顔を埋め、両手で乳首をいじった。

 

「ああぁぁ」

 

 思いっきり鼻で息を吸う。柔らかな匂いが体中に広がった。胸から感じる体温が暖かい。この暖かさが、ものすごい安心する。柔らかな優しい安心感にぼ、僕はもう溺れそうになっていた。

 

「安心する…」

「安心?」

「うん。すごく安心する」

 

アユミの胸は僕の体も心も温めてくれる。

 

「私にも、触らせて」

 

 そう言って、アユミは僕のパンツの中に手を入れて、モノをしごき始めた。

 

「舐めたい」

 

 僕はベッドの上に寝転がり足を開いた。その間にアユミが入り、モノをパクッと口に咥えた。

 

「あ…気持ちいい」

 

 アユミはジュボジュボ音を立てながらモノをしゃぶっていく。口の中でモノがアユミの唾液に包まれているのがわかった。アユミの口の中も暖かい。快感と安心感が全身に広がっていく。

 

「俺にも触らせて」

 

 僕は体を起き上がらせて、アユミのアソコに触れようとした。しかし、アユミがフェラをやめる気配はない。

 

「そしたら、寝てくれる?」

 

 アユミに寝てもらい、僕はその横で膝立ちになった。そして膝を大きく開き、モノをアユミの口の場所に持っていく。アユミはすぐさまモノを持って咥えた。僕はアユミのフェラを堪能しながら、手を伸ばしてアユミのアソコに触れた。

 アソコはすでに洪水のように濡れていた。クリトリスも大きく膨らんでいる。僕は指先 についた愛液を広げるようにしてアソコをいじりながら、クリトリスに触れた。「あん」とアユミはモノを咥えながら喘いだ。僕らはその体勢で長い間、互いの性器を刺激し合った。

 

「…もう入れて欲しい」

 

 モノを持ちながら、アユミは僕を見上げてそう言った。モノをたくさんしゃぶった後のアユミの表情はどこか妖艶だった。エロさが溢れ出ている。僕は頷き、コンドームをモノにつけて、アユミの股の間に座った。

 

「そしたら、入れるよ」

「うん」

「イチャイチャしようね」

 

 アユミは「ふふふ」と笑い、「そうだね」と笑顔で言った。

 

「じゃあ、入れるよ」

 

 モノがアユミの中に侵入していく。蠢く膣内がモノの先端を捉えた。そこから膣内に引っ張られるように、モノが中に飲み込まれていく。全てが包まれた瞬間、とてつもない暖かな快感が全身に広がった。

 

「あったかい…」

「私も…あったかい」

 

 アユミが両手を伸ばしてきたので、僕は体を倒してアユミを抱きしめた。何にも覆われていない、むき出しになった互いの肌が触れ合う。胸にはアユミの胸の柔らかさを感じる。目が合うと僕らは自然に唇を重ねた。

 口も、肌も、中も、全てが暖かい。いや、セックス中にする全ての行為が暖かいと、アユミと触れ合うことで気づいた。セックスが暖かいのは、体温を持った人間同士が、生身のまま触れ合うからだろう。互いの中にある暖かさを掛け合わせることによって、物理的な暖かさも心理的な暖かさも大きくなっていく。

 だから、クリスマスにカップルたちはセックスするのだろうか。セックスならば、心も体も温められる。それによって深められた愛が、ふたりにとっての何よりのプレゼントになるから。

 そんなクリスマスに愛を温め合うカップルを羨ましいと思い、非リア充の心は渇いていくのかもしれない。だから、クリスマスが近づくと人肌恋しくなってしまうのかもしれない。

 僕とアユミは今、非リア充が持つ渇きを埋め合おうとしている。リア充たちのように、心と体を温めようとしている。

 僕は思いっきりアユミを抱きしめ、腰を振った。

 

「んっ…ん…んっ…」

 

 キスをしている唇から、アユミの喘ぎ声が漏れる。唇を離して解放させてあげると、「あん!」という大きな喘ぎ声が部屋に響き渡った。僕が舌を差し出すと、アユミも激しく舌を絡ませてきた。そのまま絡み合うことを止めることなく、僕は何度も腰を振り続けた。

 

「あ…だめ、イキそう」

「俺も、イク…」

 

 アユミは唇を離し、思いっきり僕を抱きしめた。そして、「いいよ」と耳元で囁いた。

 耳元にアユミの吐息を感じながら、肌でアユミの胸の柔らかさを感じながら、モノを包むアユミの暖かなアソコを感じながら、僕は奥にめがけて腰を振る。射精感が高まるにつれ、体温が一気に上昇する。全身が高揚していく。その熱を全て解放するかのように、僕はアユミの中で精を放った。

 果てた後も、僕らは抱きしめ合っていた。互いの体にじんわりと汗がにじむ。僕らはちゃんとリア充たちのように、潤うことができたのだろうか。

 ゆっくりと腰を引き、モノを抜く。精子が垂れないようにコンドームを外し、ティッシュに包んでゴミ箱へと捨てた。

 

「イチャイチャ…最高だったね」

 

 僕がそう言うと、ぐったりと寝っ転がっていたアユミが「ふふふ」と笑った。

 

「確かに、イチャイチャだったね」

「アユミさんの想像通り?」

「想像以上すぎるけど…悪くなかったよ」

「良かった?」

「うん、良かった」

 

 それぞれに交代でシャワーを浴び、服に着替えて僕らはラブホテルをでた。日が落ちていて、外はもう夜になっていた。

 

「寒いね」

「うん、寒い」

「また手繋ぐ?」

 

 顔がマフラーに埋もれそうなアユミはコクリと頷いた。

 僕らは手を握り、互いの手の温もりを感じながら、道玄坂の坂を下りていく。途中、道玄坂を登っていくカップルと何組もすれ違った。街にはお店の看板の光と共に、ささやかなイルミネーションが街を照らしている。

 

「もうすぐクリスマスだね」

「そうだね」

 

 手を繋ぎながらも、僕らはその後、言葉を交わさなかった。気付けば、あっという間に駅前についていた。

 

「あれ、JRだっけ?」

「うん」

「そしたら、ここでバイバイか」

「あ、地下鉄だっけ?」

「そう」

「じゃあ、ここでバイバイだね」

 

 繋いでいた手が解かれる。離れた手と手の間を、12月の冷たい夜風が吹き抜けた。

 

「じゃあ、また」

「うん、またね」

 

 人の出入りの激しい改札に、アユミの後ろ姿が消えていく。その後ろ姿をじっと見つめていたが、アユミが振り返ることはなかった。だろうな、と心の中で呟く。

 

 僕らは今日、互いのクリスマスの寂しさをホテルで埋め合った。人肌恋しいという気持ちを温め合った。しかし、ホテルを出て駅に向かう途中に、僕の中でまた人恋しさは増していった。

 恋人じゃない異性とのセックスは一瞬だけ寂しさを温めてくれる。でもそれをしたところで結局、恋人がいないことには変わらない。非リア充であることには変わらないのだ。

 僕らはもう、クリスマス前にセックスをしてしまった。クリスマスに再び会って食事をしたところで、もっと寂しさが増えるだけだ。セックスをしたところで、もっと虚しさを抱えるだけだ。結局その場しのぎじゃ、何も変わらない。

 

「今年はクリぼっちか」

 

 そう呟き、下を向いた。その時、白い柔らかな小さなものが地面に落ちたのが見えた

 それを見て、すぐに上を見る。真っ暗な夜空からいくつもの白い点々が、光に照らされ輝きながら落ちていた。

 

「雪だ」

 

 手を広げると、その上に雪が落ちた。ほんのり冷たい。しかし雪は体温の暖かさで、すぐに消えてしまった。

 

「そっか…」

 

 クリスマスの寒い季節になったら人肌恋しくなってしまう。心も体も温めたくなってしまう。それでも。

 暖かいからこそ、消えてしまうものもある。雪のように、冷たくても美しいものだってある。寒さを楽しむことだって、きっとできるはずだ。

 

「今年は…非リア充を楽しもう」

 

 アユミが飲み込まれた改札に僕は背を向けた。

 そして柔らかな雪に包まれながら、僕は空を見上げるカップルたちを軽やかに避け、進んでいく。

※続きはコチラ↓

 「明日晴れるみたいなんですけど、良かったら会いませんか?」布団の上で寝返りをうちながら、LINEを送る。時刻はもうすぐ0時。突然の誘いになってしまったからどうせダメだろうと半ば諦め、その女性とのトーク履歴を遡る。

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