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テレフォンセックス・エロイプに続く「出会わないセックス」、ツイセックスとは?


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※イメージ画像 photo by VLC Combat Camera from flickr

 あかの他人同士が性的行為をすることが、当たり前とまではいかなくても、珍しくない時代であることは確かだ。そのきっかけになったのは、80年代後半から90年代前半にかけてのテレクラブームであろう。

 テレクラと言われても、平成世代の人はピンと来ないかもしれない。テレクラとは、テレフォンクラブの略。男性客は時間単位の料金を払い、狭い個室で待機する。女性は無料で、ティッシュや雑誌広告を見て自宅から電話をかける。女性から電話がかかってくると、テレクラ店内の電話が一斉に鳴り、一番早く受話器をとった者が通話の権利を得る。テレビ番組の早押しクイズのようなものだ。なお、通話の権利を得たからといって、必ずしも受話器の向こうの女性に出会えるとは限らない。交渉テクニックが必要になってくる。そのため、直接デートの交渉に時間をかけるよりは、テレフォンセックス目的で利用する人も増えてきた。お互いのオナニー声を聴かせ合ったり、バーチャルセックスを楽しむやり方だ。

 かつては一世を風靡したテレクラ文化だが、2000年に入るとメールチャットがメインの出会い系サイトが登場し、テレクラ利用者は激減した。その背景には、テレクラよりも出会い系サイトのほうが、いわゆる「割り切り」目的の女性が多く、直接出会える可能性が広がったことが影響しているのだろう。そのため、テレクラ全盛期に流行ったテレフォンセックスはいったん影をひそめ、「やはり性的行為は直接出会って楽しむもの」という考え方が主流となる。

 ところが、おもしろいことに歴史は繰り返されるもので、数年前から再び、「出会わないセックス」が脚光を浴びることとなる。発端となったのは、エロイプだ。エロイプとは、スカイプの無料通話機能を活かした、相互オナニーやバーチャルセックスのこと。テレフォンセックスと大きく異なる点は、なんといってもテレビ電話機能だろう。聴覚だけでなく、視覚でも楽しめるようになり、「出会わなくても充分に気持ち良くなれる」ことが立証された。エロイプは、あかの他人同士にとどまらず、遠距離恋愛中のカップルや夫が単身赴任中の夫婦間でも交わされている。

 しかし、エロイプブームも徐々に沈静化しつつある。原因は、スカイプ自体の利用者が減ったことにあるのだろう。2012年に入ってLINE利用者が爆発的に増え、スカイプIDは持っていてもほとんどログインしていない人が多くなってきた。これにより、出会い系サイト全盛期のように、「性的行為は出会って楽しむもの」という価値観に舞い戻ったのかと思いきや、最近では「ツイセックス」に注目が集まっている。

 ツイセックスとは、「ついヤッてしまったセックス」のことではない。ツイッターセックス(TwitterSex)の略である。当初は、Twitterを介して親しくなった者同士が、直接会ってセックスをするという意味合いだった。一般男女に話を聞いてみると、Twitterきっかけの出会いで、おいしい思いをしているケースは少なくないようだ。首都圏在住の女性には、芸能人とのセックスにこぎつけた者もいる。一般男性が女性芸能人との直セックスを成立させたという話はさすがに聞いたことがないが、それでも「かなりの上玉に出会えた」「セックスフレンドをゲットした」「処女喪失を依頼された」などの武勇伝はしょっちゅう耳にする。

 だが、Twitterでの出会いを実現させているのはごく一部。テレクラで、受話器を最初にとった者が、必ず女性と直接デートできるとは限らないように、Twitter上で親しくなったからといって直セックスに結びつくわけではないのだ。そのため、直接デートの交渉に時間をかけるよりは、Twitter上でセックスを済ませようというスタンスの人も増えている。それこそが、ツイセックスだ。

 やり方は、140字以内のツイートで、相互オナニーやバーチャルセックスをしているかのような表現を用いてやりとりをするという、実にシンプルなもの。いや、シンプルだからこそ難しいだろう。視覚にも聴覚にも頼れないのだ。「オッパイ大きいね」「足を広げてごらん」などの表現力や、「あんッ」「うおぉ」などの喘ぎ声、クチュクチュ・ズコズコなどオノマトペの工夫など、ツイセックスに必要なスキルはごまんとある。

 そのうえ、他ユーザーに読まれている場合もあるのだ。しかし、他者に見られないダイレクトメッセージ機能でなく、他ユーザーも閲覧可能な通常ツイートでのツイセックスにこそ醍醐味があると語る愛好家も存在する。見られることに対する興奮だけでなく、時には第三者の乱入もあり、それが楽しいとのこと。Twitterのリプライ機能は、「@~、@~」のように、いっきに複数名に同じ文面を送ることも可能なのだ。通常セックスでの複数プレイ実現は難易度が高いが、ツイセックスなら気軽に3Pができる。テレクラのパーティーライン(複数名が1つの電話で同時に会話できるシステム)のような感覚なのだろう。

 こうしてみると、カタチは変わっても歴史は繰り返されることを実感させられる。まだ一部の愛好家だけで静かなブームとなっているツイセックスが、テレフォンセックスやエロイプのように、爆発的ブームとなるか、今後も目が離せない。
(文=菊池 美佳子)
1977年3月17日生まれ。岩手県盛岡市出身。21~29歳の間、キャバクラ嬢・テレフォンセックス嬢・企画物AV嬢としても活動。引退後、文筆業に転身。
■著書:『2010年代 ニッポンの風俗』『つけちゃうぞ! 大人の保健体育』『テレフォンセックス裏物語』


『Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流』


新たなリアルタイム・エロの潮流

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