>   >   > 

【アイドル音楽評~私を生まれ変わらせてくれるアイドルを求めて~ 第45回】

産業が滅び、文化だけが残るだろう ~2012年アイドルポップスベスト10まとめ


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

※イメージ画像:左上から時計回りにBiS「IDOL is DEAD」
バンドじゃないもん!「バンドじゃないもん!」
ライムベリー「HEY!BROTHER」
KGY40Jr.「コスプレイヤー」

 「アイドル戦国時代」に悪態をつき続けてきた本連載も4年目を終えようとしている。アイドルブームが意外と長く続くので、もはや悪態をつくのも疲れた。それが偽らざる心情である。

 活動しているアイドルは増え、音楽雑誌でもアイドルの記事を目にすることが増えた。もはや飽和状態である。その一方で、マーケット的にはAKB48とジャニーズという二大帝国が依然として覇権を握り続けており、ももいろクローバーZがやっと「NHK紅白歌合戦」への出演を決めた、という程度だ。大きな変化がマスレベルで起きたとは言い難い。なんなのであろう、この乖離は?

 「宗像さんは今のアイドルブームがいつまで続くと思いますか?」。今年たびたび聞かれた質問であるし、昨夜もある忘年会で聞かれた。そのときまっさきに思い浮かべたのは、AKB48の東京ドーム公演3DAYSの最終日、8月26日に見た光景である。前田敦子の卒業セレモニー、そして去っていく前田敦子と残って歌い続ける他のメンバーたち。アイドルシーンは、人々の共通言語になることに成功したAKB48によって支えられている。そこから前田敦子が卒業した後、AKB48がどうなるかがアイドルシーン全体の命運すら決定づけるのではないか、とライヴを見て感じた。しかし実際にはAKB48は大きく人気を落とすこともなく存在し続けている。その事実を思い返したとき、昨夜の忘年会で私はこう述べた。「もしかするとしばらく続くのかもしれないですね」。

 もはや自分がいったい何と戦ってきたのかもわからない「アイドル戦国時代」への敗北感。そんなものを抱えつつ、恒例の年間ベストテンを挙げていきたい。


■1位:BiS「IDOL is DEAD」

 「全裸になっても内部抗争に押し流される!? エモさを武器にしたBiS『IDOL is DEAD』!」(http://www.menscyzo.com/2012/11/post_4893.html)で紹介した。

 辛い思い出しかない。

 それは本作に収録された、当初HMV限定シングルだった「IDOL」という楽曲のことだ。「ディレクターが変わる、BiSも正統派のアイドル路線になる」とヲタをだまして怒らせて煽った挙句に、直前にPVが公開されて実際には地獄のようなメタル・ナンバーだとわかったのが「IDOL」だった。我々はさんざん感情を弄ばれたようなものだった。

 発売当日である4月11日の新宿ロフトでのライヴでは、それまでBiSのメンバーを批判しまくってきたヲタたちが一斉に「ごめんなさーい!」と叫ぶ異常な光景となり、その中で私は最前列センターで「レスがないなら殺してくれ!」と楽曲に関係なく叫び続けていたことを思い出す。酸欠になったのか、終演後には激しい頭痛に襲われた。

 その後エイベックスからメジャー・デビューしてリリースされたセカンド・アルバム「IDOL is DEAD」は、あまりにもロックへと振り切れているので強い戸惑いを覚えたものだ。インディーズ時代の代表曲がアレンジ違いで再録されたこともそれに拍車をかけた。ただ、それはあくまで2011年のファースト・アルバム「Brand-new idol Society」との比較論にすぎない。松隈ケンタ率いるSCRAMBLESの作品のクオリティが落ちることはなかった。





 BiSは2012年も楽曲を量産したのだが、そのなかでもアナログ盤「ABiSCDiS」にDiS名義で収録されたラップ・ナンバー「be minded」は、本年のアイドルシーン屈指の傑作である。DiSは今年もナタリーを全面批判した「DEAR NATALIE」を突然ネット配信(https://soundcloud.com/disidol/dear-natalie)するなど破天荒な活動を見せたが、アナログ盤に新曲として収録された「be minded」では、生のブラスをふんだんに使ったSchtein & Longerの手腕が光っている。本年の1位を「IDOL」、「be minded」、「IDOL is DEAD」のどれにするか最後まで迷った。

 前述のように私たちヲタの心を弄んだBiSだったが、「IDOL is DEAD」発売前のメンバー抗争ネタでの仕掛けは成功したとは言い難い。もっと私たちの心を愚弄しろ。もっと土足で踏みにじれ。もっと気を狂わせろ。そうしてくれることを願っている。そうしてほしいのだ。

 最後に付け加えるならば、2011年に「Brand-new idol Society」を無視した、あるいは気付きもしなかったアイドルジャーナリズムは信頼に値しない。


『Brand-new idol Society』


暴走アイドルBiSはここから始まった。まだの人は是非!

amazon_associate_logo.jpg


今、あなたにオススメ

Sponsore
  • アイポケ
  • s級素人
  • FAプロ
  • MGS
  • OPPAI
  • KMP
  • smm
  • SOFT ON DEMAND
  • 溜池ゴロー
  • DANDY
  • teamZERO
  • 痴女ヘブン
  • ナンパJAPAN
  • BIG MORKAL
  • プレステージ
  • PREMIUM
  • MAXING
  • MOODYZ
  • MUTEKI
  • 乱丸
  • WANZ
  • twitter
  • facebook
  • google plus
  • feedly
  • RSS

menscyzo_161128_rectangle_c.jpg

メンズサイゾー グラビアギャラリー

人気記事ランキング

今日
今週