容姿が釣り合わないカップル、それぞれの事情

※イメージ画像:『Theかぼちゃワインsequel』/著:三浦みつる/青林堂

 『美女と野獣』……ディズニーアニメや劇団四季のミュージカルでもお馴染みのおとぎ話である。作品自体を観たことがない人でも、『美女と野獣』という作品名は知っているだろう。美人とブサメンのカップルを皮肉って「美女と野獣」と言ったりすることもある。

 この、「美女と野獣」カップル、皆さんの知人にもいるだろうし、街を歩いていても、失礼ながら、「何故あんなにイケてない男が、美人を伴って歩いているのだ?」というくらい容姿が不釣合いな男女を見かけることがある。また、美女と野獣カップルの逆バージョンも存在する。男性側がイケメンで、女性側がイマイチ……というカップルだ。もちろん、「交際相手に求めるのは、容姿ではなく性格だ!」というのはごもっともである。しかし、性格以外にも、何か理由があるのではないだろうか? 前者は、「男性側が金を持っている」という理由が濃厚である。では、後者のほうはどうだろう? 「美女と野獣」ではなく、「美男と野獣女」のほうだ。

 実際に、野獣女と付き合っている男性の声を集めてみたところ、意外に多かったのが、「特殊性癖」を持っているというパターンだ。男性側が、マニアックな性的嗜好を持っていて、それに合わせられる女性となると、えり好みできない、というのが理由らしい。気になるのは、特殊性癖とはどのようなものか、という点である。

 まず、比較的ソフトなところでは、「パンティフェティシズム」。女性に数日間同じパンティをはいてもらい、性行為の際はそれを被りながら挿入に及ぶという。カノジョ選びをする際、最初のハードルとなるのが、「同じパンティを数日間はき続けてくれる女性がなかなか見つからない」とのこと。確かに、かなり不快感が伴ううえ、衛生面も気になってしまう。さらには、パンティを被っている男性と合体するというのも、これまたハードルが高い。たまにならまだしも、毎回というのは少々厳しいだろう。

 さらにハードなのが、飲尿や食糞などの、スカトロ嗜好があるという人もいた。ここに挙げたのはほんの一例であるが、もっと変わった性癖があるという人はごまんといるだろう。そのプレイを共有し、さらには秘密も守れる恋人ともなると、容姿にいちいちこだわっていられないのかもしれない。

 性嗜好はごく普通だが、単なるブス専という人もいた。なお、ブス専には2パターンあり、「周囲からはブス専と言われるが、自分からは可愛く見える」という人と、「不美人だということを認識したうえで付き合っている」という人。ここでは、後者のほうに注目してみよう。これまた2パターンあるようで、まずは「美女が苦手だ」というケース。そして、「不美人のほうが興奮する」という人もいた。相手が不美人なのに勃起している自分に興奮するのだという。これも一種の性癖といっていいのかもしれない。

 ほか、変わりどころでは、「ボランティア感覚」という者もいた。ずいぶん上から目線だが、「美女は、自分以外にもアプローチをする男性が沢山いるだろうから、隙間産業として不美人にターゲットを絞っている」とのことだった。現代の競争社会に疲れてしまっているのだろうか? それにしても気になるのが、選ぶ段階は競争相手がいなくてスムーズかもしれないが、その後の交際において愛情が持続するのかということ。これに関しては、「不美人のほうが謙虚で、精一杯尽くしてくれる」という。これは、性格重視と解釈して良いだろう。

 なお、男女交際のみならず、キャバクラや風俗店においても、あえて不美人な嬢を指名する人もいる。金を払うのだから、店一番の美女を指名すればいいのに、と思ってしまうが、これには現代日本が、「グループアイドル全盛期時代」であることが関係しているのかもしれない。というのも、プロデューサーがアイドルグループを作る際には、「グループ内に必ず一名、『オチ』を入れる」のだそう。全員を美女で揃えたほうが人気が出る気もするのだが、不思議と「オチ担当」のファンになってしま人もいるのは周知のとおり。「変わったものが好き」というファン心理を満たしてくれるのだろう。

 理由はどうであれ、現代人の嗜好が多様化しつつあるのは紛れもない事実である。美女だろうと不美人だろうと、本人が良ければ外野がとやかく言うことではない。美男と野獣女カップルを見かけても、温かい目で見守りたいものである。
(文=菊池 美佳子)

men's Pick Up