まさかの黒タイツ大流行!! 女子高生の足元の流行をおさらい

joshikousei0201.jpg※イメージ画像『日本の美しい女子高生』ヨシモトブックスより

 朝の冷え込みも一段と厳しい今日この頃。街中を歩いていても、コートにマフラー、手袋、帽子、と防寒対策バッチリの女性、男性が目立つ。そんななかで異彩を放つのが、女子高生だ。ここ数年は、どんなに寒い日でも、ミニスカートから生脚を覗かせて闊歩していた彼女たち。しかし、この冬はなんと、今まで「ダサイ」と敬遠されてきた「黒タイツ」が流行しているという。去年の10月頃から、ネット上で「女子高生の黒タイツが急増している」という声がチラホラ見られ、今年の1月には地方紙「信濃毎日新聞」で報じられるほどとなった。黒タイツの流行に、学校側は生足や、ジャージ重ねばきよりいい、と歓迎の姿勢を示しているという。

 しかし、黒タイツへの男性諸君の賛否は分かれるところらしい。「やっぱり生足がいい」、「スカートの下にジャージよりはいい」、「でもストッキングはエロイ」など、ネットでは女子高生の足元に関する真剣な議論が交わされている。ちなみに、黒タイツと黒ストッキングは、単純に生地の厚さで区分されているようだ。30デニール未満の薄手がストッキング、30デニール以上の厚手をタイツと呼ぶらしい。振り返ってみれば、90年代のルーズソックスブームが下火になってきた頃、紺ハイこと紺のハイソックスが主流だった。確かに、その頃は黒タイツは少数派だったのだ。目まぐるしい変化をみせる女子高生の足元の流行について、ここで振り返ってみよう!

【1970年代】
 まずは、ベルボトムやベトナム戦争の終結に象徴される70年代から。サブカルチャーの研究家によると、70年代を起点にして、女子高生は集団内にとどまらない中心の文化として、最先端のカルチャーを生み出していくという。その背景には「non-no」(集英社)、「MORE」(集英社)、「an・an」(マガジンハウス)、「クロワッサン」(マガジンハウス)、「JJ」(光文社)などの若者向けファッション雑誌の創刊がすべて70年代、という当時の状況もある。都市と地方で文化が共有できるようになったことから、特に若い女性の間での「ファッションの同調」が社会現象となっていくのである。この頃の女子高生はといえば、白いふくらはぎ丈のソックスに、膝下までのスカート、というスタイルが主流。いたって普通、イマの感覚でいうとなんかあか抜けない、ぶりっこ、というところだろうか。

【1976年】
 しかし70年代後半、「ツッパリ」が流行し始めると、男子高校生はチョウラン、タンランといった改造学生服をこぞって着用。女子高生もそれにあわせて、超ロングスカートのセーラー服に、二つ折りのくるぶしソックスの「スケバン」スタイルが流行。ちなみに、奇抜な衣装でディスコ音楽に合わせて踊る、竹の子族の流行は1979年。

【1983年】
 バブル景気が始まりつつあった時代、若者の使えるお金が増えてDCブランドが流行。どこのブランド、どのデザイナーの服を着るかが重要になってくる。女子高生の制服姿も上品になり、ブランド高校にハイソックスが定着する。

【1989年】
 本格的なバブル期。三つ折りソックスが都内で流行する。

【1990年】
 スカート丈を短くすることが流行し始める。都内では、白いソックスをわざとダブつかせて履くことが流行。

【1992年】
 ついにルーズソックスが本格デビューする。発祥は宮城県仙台市説が有力。ミニスカートにあわせて、より露出されるようになった脚にアクセントを加えるために、アメリカで製造されていた登山用の靴下が履かれるようになったというのが、ルーズソックスの始まり。これが急速に広まっていく。ちなみに、ルーズソックスの普及とともに、ソックスがずり落ちるのを防ぐためのソックタッチもバカ売れした。

【1998年】
 ルーズソックス全盛期。コギャル文化の必須アイテムとなったルーズソックスは、よりボリュームを出すためにさまざまな工夫がなされていく。2重にして履いたり、上にレッグウォーマーをかぶせたり、ゴムを抜いたり……。

【2002年】
 次第にルーズソックスの勢いがなくなってくる。ゴムを抜いた上でソックタッチを使わず、くるぶしから上20cmくらいでダラとさせる脱力ルーズが流行。

【2004年】
 全国的に紺ハイが定着する。ルーズソックスの反動なのか、ラルフローレン、ポロ、ラコステなどちょっと上品めのブランドのソックスが主流。余談だが、歩いている途中で靴下を直す姿に萌える、という男性多数。

【2009年】
 神戸を中心に、紺のハイソックスにロングスカートが流行する。もともと神戸は清楚なお嬢様ファッションの地域。ルーズソックスの終焉とともに、どんどんスカート丈が長くなっていった。神戸は関西のファッションの中心地であり、東京に対するカウンターカルチャーとして、スカート丈が長くなっていったという説もある。

【2010年】
 まさかの黒タイツが都内を中心に流行。ファッションアイテムとして黒タイツが流行したことにあわせて、防寒対策も兼ねた黒タイツが着用され始める。しかし、黒タイツは冬限定の流行。夏になれば紺ハイソが主流になる。

 「女子高生」というブランドは、やっぱりそれだけで魅力的なもの。それを最大限に活かそうという彼女たちのあくなき情熱と、探究心がさまざまな流行を生み出しているのだ。これからも女子高生の脚から、目が放せない。
(文=ヨーコ)

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