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アニメ制作現場は戦場

死んでも放映に間に合わせろ! テレビアニメ制作の裏事情


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『化物語』公式サイトより

 Blu-ray Disc2巻の初動売り上げが『けいおん!』1巻を超えてテレビアニメ歴代一位となった、2009年を代表する人気アニメ『化物語』。テレビ放映は全12話で終了したが、もともと全15話で構成されており、残り3話分はネットで無料配信されることになっていた。

 その皮切りとして、第13話「つばさキャット 其ノ參」が去る3日に配信開始となった。だが、当初は10月28日に配信予定だったものが制作スケジュールの都合から2日に変更となり、さらに2日深夜になっても撮影作業や編集作業が行われている様子が、制作スタッフのブログからリアルタイムで実況されるというてんやわんやの有様。配信を待つ2ちゃんねるアニメ板の化物語スレ住人たちが一喜一憂する様がまとめサイトに掲載され、結果的に話題性の高さを見せ付けるかたちとなった。

 このような制作の遅れは、テレビアニメでは決して珍しいことではない。『化物語』を制作しているシャフトはこだわりの強さで定評のある制作会社だが、そのぶんスケジュール進行が逼迫することも多く、2007年に制作した『ひだまりスケッチ』10話では絵が未完成のまま、文字でごまかすなどして放映するという事態に陥ったこともある。『化物語』のテレビ放映版でも、放映当日にもまだ制作途中であることがアニメーターのブログで明らかにされたり、第10話が静止画カットばかりで制作が間に合わなかったのではないかと取り沙汰されたりと、制作体制が苦しいことは視聴者にも伝わっていた。

 さらに、アニメ業界人が集う匿名掲示板の過去ログを漁ると、「放映数時間前納品」などという話はよく出てくる。噂話レベルだが、「放映30分前納品」というものもあったという。極めつきはテレビ局側に納品を拒否された事例で、1998年の『Weiß kreuz』ではあまりのクオリティの低さから、2003年の『ガドガード』では事前チェックが間に合わなかったことから納品されず、放映を「落とす」結果になっている。

 ちなみに放映を落とすと莫大な違約金と代替番組の手配料を請求されてしまうため、何が何でも穴だけは開けないようにと、たとえ未完成の状態でも無理やり放映してしまうのが通常。前述の『ひだまりスケッチ』10話などはそのケースである。急ごしらえの総集編を挿入し、穴を開けることを回避するケースもあり、1997年の『白鯨伝説』は何度も総集編や再放送を挟んだ末、違約金が原因で制作会社の倒産を招き、放映が一時中断してしまった。

 また、制作スケジュールの遅れは作画の乱れをも招く。作画監督による動きや絵柄の修正を省略したり、逆に作画監督を何人も投入して人海戦術で制作した結果、絵の歪なカットが見受けられたり、カットごとに絵柄がバラバラになってしまうのだ。『化物語』テレビ放映版でも、後半戦ではそのようなカットが次第に増えていったが、現在のテレビアニメでは決して珍しくない現象である。

 このような事態の最たるものが、下請けに出した海外の制作会社がきわめて劣悪なクオリティで仕上げてきたものを放映せざるを得なかった1998年の『ロスト・ユニバース』第4話「ヤシガニ屠る」だ。作画監督が修正できずに子供の落書きのような絵が大半のうえ、一部のカットでは動画も出来上がっておらず、動きのキーとなる原画のみという紙芝居のような状態だったことから、その後絵が歪だったり止め絵ばかりだったりするアニメが流れると「ヤシガニ作画」と俗称するようになった。『化物語』10話も、作画の乱れこそ少なかったものの「ヤシガニレベル」という感想はネットで散見される。

 制作の遅延が頻発する一因は、テレビアニメの放映本数があまりにも多いことにある。『ロスト・ユニバース』や『Weiß kreuz』など、クオリティの破綻した作品が目立った1998年は、『新世紀エヴァンゲリオン』ブームに便乗してテレビアニメの放映本数が急激に増加した時期。その仕事量が、アニメ制作会社の制作能力をオーバーしてしまったのである。現在も、数年前に比べて減少したとはいえ、1998年当時に比べれば放映本数はまだまだ多い。制作工程のデジタル化は進んだものの、数千枚の動画や数百枚の背景などを多くのスタッフの手で作り上げて週1回放映しなければならないテレビアニメが、ほとんど落とすことなく毎週何十本も流れているのは、奇跡的とすら言えよう。

 なお、アニメのネット配信も増えつつあるが、今年2月にYouTubeで配信された『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』第1話は配信予定日に完成せず、翌日改めて配信されるという「つばさキャット 其ノ參」と同じような経過をたどった。テレビほどスケジュールが固定的ではないネット配信ならではの現象といえる。今後、ネット配信が普及するにつれて、このようなケースはさらに増えていくのかもしれない。

(文=有村悠)

『化物語 第三巻 / するがモンキー』アニプレックス


三巻もバカ売れなのでしょう

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