「そろそろイクよっ!」
そう声をかけ、大げさに腰をヒクヒクと痙攣させる。
今射精しましたよ、そうアピールするためだ。
ピストンを止め、余韻を十分に味わってから身体を離す。そして手にしたティッシュで汗と愛液まみれのマンコを軽く拭いてあげる。
これはもちろん「優しさ」アピールの一環だ。恩着せがましくならないよう、さも当然といった風を装う。
しかし、ひなこチャンは天井を見ながら荒い呼吸を繰り返すだけ。
まだ若くて経験人数の少ないひなこチャンなので、こちらのアピールが通用しなかったようだ。
その後ベッドで10分くらいまったりしてから帰り支度を開始。
さて、どうするべ?
ひなこチャンとはまた会いたい! でも、LINEを交換するのはちょっと不安だ。
そこで、次善の策を取ることにした。
「後で、サイト経由で俺のメルアドを送ってもいいかな?」
「あ、はい」
「もしまた会いたくなったら、メールしてくれるかな?」
「え? いいんですか?」
「うん。またひなこチャンがヘコむようなことがあったら、いつでも連絡してよ」
「はい! ありがとうございます」
ホテルを出た後、駅の改札付近まで彼女を送っていきデート終了となった。
その日の夜。約束通りサイト経由でこちらのメルアドを教える。
だが、あれから2週間近く経っているが、未だにひなこチャンからの連絡はない。
やはりLINEを交換するべきだったか? 後悔しきりの筆者。
だが、メンヘラだと思われる女性に、こちらの個人情報を必要以上に教えるのは危険だ。
今回は縁がなかったということで潔く諦めるしかないだろう。嗚呼、もったいないことをしたなぁ…。
(文=所沢ショーイチ)