ああ、早く帰りたいなぁ。
そう思っていると、アイリちゃんが語りかけてきた。
「いま、何時か分かりますか?」
コンドームを処理してからスマホを取り出し時間を確認。
「22時を少し過ぎたところだよ」
「そうですか?」
「あっという間だったね」
「はい。でも、終電で帰ればいいのであと2時間くらいは大丈夫です」
な、なぬぅ? 暗にお代わりを要求しているのか?
これが可愛いコだったり、スレンダー巨乳のセクシー体型のコが言っていたら即応していたことだろう。
だが、彼女の容姿はこちらの賢者タイムを延長させるだけだった。
「ごめんね。俺は明日早いからそろそろ帰ろうよ」
「そ、そうなんですか」
どうやら諦めてくれたようだ。
その後、帰り支度をしている最中、アイリちゃんが語りかけてきた。
「初めて挿入の時にイケました。本当にありがとうございます」
「どれが一番気持ち良かった?」
「ぜ、全部です。途中からずっとイキっぱなしみたいになっちゃって…」
どうやら筆者とのエッチを気に入ってくれた様子だ。
だが、こちらはそうではない。生挿入させてくれたり、自らザーメンを飲みたがるといったオプションでもない限り二度目はない。
そうなるよう導く行程も楽しいものだが、このアイリちゃん相手にそこまでの労力をつぎ込む気にはなれない。
ホテルを出た後、駅近くまで送っていく。
「じゃあ、俺はあそこの喫煙所で一服してから帰るよ」
そう告げてサヨウナラ。
連絡先交換せずに済んだので、まず再会することはないだろう。
もし、サイト経由で連絡がきたらどうするべ? 一服しながら考える。
やっぱり生かな? 生挿入を許してもらえるなら、あと数回くらいは遊んでもいいかもしれない。
そんな事を考えていると、いつもなら愚息がムクムクと起きだすところだ。しかし、この時は違った。あのずん胴体型の事を思い出してしまい、ピクリともしなかったのである。
やはり二度目の誘いがあったとしても、断るべきなのかもしれないなぁ。
(文=所沢ショーイチ)