おっ、これはなかなかのアタリじゃん!
彼女の顔は女優の遠野なぎこに似た感じで、目鼻立ちがくっきりしていた。少々性格がキツそうに見えたが、行きずりのデートなのでたいした障害にはならない。
ツカツカと近づいていくと、アケミちゃんと目が合った。
ニコっ
向こうもこちらに気づいたようで、軽く微笑んでから会釈してきた。
「お待たせ、アケミちゃんだよね?」
「は、はい」
「さっきサイトで約束させてもらったショーイチだよ。今日はよろしくね」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「ごめんね。結構待たせちゃったかな?」
「大丈夫です。本当についさっき来たばかりなので」
「そうなんだぁ。あ、ここで立ち話もアレだから、少し歩きながら話そうか?」
「はい」
アケミちゃんを先導しながらホテル街に向かって歩き始める。
相手は人妻さんなので、必要以上に近寄らないよう注意することも忘れない。万が一、彼女の知り合いに目撃されても、親密な雰囲気でなければどうとでも言い訳できるはずだから。
そして、彼女にだけ聞こえるくらいのボリュームで会話を続ける。
「実物の俺ってこんな感じだけど、大丈夫かな?」
「え? なにがですか?」
「ほら、写メより何十倍もエロそうでしょ、俺って。ヒいたりしてない?」
「全然そんなことないですよ。もの凄く優しそうです」
「あ、ありがとう」
「それにエッチそうな男性のほうが好きですし…」
「え? そうなんだ?」
「はい。むっつりした感じより、オープンなほうが安心できます」
「なるほどね。確かに俺の顔ってオープンスケベだもんね」
「フフフ、はい」
「じゃあ、このままホテルに直行するってことでいいかな?」
「はい。もちろんです」