こんなメールを送ったところ、ものの数分で返信が届いた。
そこから数回メールのやり取りがあり、あっさりと約束は成立した。
待ち合わせ場所は、新宿アルタ前。約束の5分前に到着した筆者は、ソワソワしながら周囲を見渡し、マコちゃんの到着を待つことに。
すると、数分ほど経ったところで、サイト経由でマコちゃんからメールが届いた。
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ごめんなさい。今、新宿駅に着きました。
これからアルタに向かうので数分くらい遅れそうです。
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たとえ数分の遅刻であっても、こうして前もって連絡してもらえると嬉しいものだ。
男性を待たせて当然と考えているような女性と違い、マコちゃんはきちんと気遣いできるタイプのようだ。ということなら、エッチのほうにも期待がもてそうだ。
数分後、小走りで駆け寄ってくる女性を発見した。そう、マコちゃんだ。
身長は150センチ台前半くらい。むっちり体型で、いわゆる“ちょいポチャ”な感じ。
なにより印象的だったのは、彼女の髪型だ。黒のロングヘアで、ドラマ『101回目のプロポーズ』に出演していた女優・浅野温子を彷彿させた。
な、懐かしいなぁ、おい…。
“W(ダブル)浅野ブーム”が巻き起こっていてた30年近く前、街にはそれっぽい女性が溢れていた。マコちゃんの髪型を見て、そんな光景を思い出した。
どうやら向こうもこちらを認識したようで、まっすぐ近づいてきた。距離が縮まるにつれ、顔の造作がはっきりしてくる。
マコちゃんは、ちょっとバタ臭い顔立ちで、タレントの今井華を地味にした感じだった。
余裕でアタリだなっ!
守備範囲が異様に広い筆者にとっては、鼻歌交じりで背面キャッチできるくらいのレベルだ。
しかし、マコちゃんが目の前に立った時、少し背筋に寒気が走った。その理由は…、
肌が汚かったからだ。
頬骨の辺りは脂が浮きギトついて見えるのに、口元周囲の肌はカッサカサで粉を吹いていた。
一瞬、メイク崩れかと思ったが、そうではなさそう。お手入れ不足なのか、元からなのかは分からないが、汚い印象はぬぐえなかった。
筆者は潔癖症ではないが、デートの時に女性に不快感を与えたくないので、可能な限り清潔な状態をキープしている。生まれつき不細工だからこそ、努力でどうにかできる分野には全力を投じているのだ。
まぁ、ここで腹を立てても何の得にもならない。もしかしたら一時的な皮膚の荒れかもしれないし、本人の努力ではどうしようもないことだってある。
ということで、何食わぬ顔で挨拶することにした。
「こんばんは。マコちゃんだよね?」
「はいっ! ショーイチさんですよね?」
「うん。今日はよろしくね」
「はい。こちらこそお願いします!」
笑みを浮かべながらハキハキ答えるマコちゃん。
やはり女性は“愛嬌”だ。
さっきまでのモヤモヤは吹き飛び、途端に上機嫌になる筆者。