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初めまして、ヒメカさん。
都内在住の会社員のショーイチ、38歳です。
仕事が終わってヒマしているので、これからすぐの待ち合わせでも、数時間後の待ち合わせでもOKです。
優しいくらしか取り柄がない私ですが、楽しいノリでお会いしたいです。
どこにでもいるような普通の会社員なので、安心してくださいね。
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サクッとこんなメールを書きあげ、送信した。
こういう上京女性に対して積極的にアプローチする男性は少ない、というのが筆者の経験則だ。
仲良くなってセフレ関係を結びたいと考える男性ユーザーには、どうしても敬遠されがちなのだろう。
5分ほど経ったところで、ヒメカちゃんから返信が届いた。そこから数回メールをやり取りし、あっさりと約束は成立した。
待ち合わせ場所は、池袋駅地下構内のイケフクロウ前。
ドキドキしながら待っていると、ヒメカちゃんはほぼ時間通りに現れた。
ぐぬぬぬぬぬっ。
本人が書いていた通り、かなり地味な印象だった。
体型は中肉中背で特筆すべき点はなかったが、顔の中でひとつ気になるパーツがあった。
あのお笑いモンスターのような、出っ歯だったのである!
守備範囲がシアトル・マリナーズのイチロー3人分くらいはあると自負している筆者だが、直接観客席に飛び込むようなファウルボールは捕球のしようがない。
顔でパスするのは簡単な話だが、それでは経験値の貯めようがない。どんなモンスターと対峙しても、しっかり射精してこそ“トコショー流の出会える系サイト遊び”なのだ。
こうなったら自己暗示に頼るしかないだろう。
西野七瀬、西野七瀬、西野七瀬…。
脳内に顔を思い浮かべ、無理やりヒメカちゃんに重ねてみる。
おろっ!? 余裕でアリだな…。
脳内でフィルターをかけた結果、イケると判断した。こうなったら、勢いに任せて突き進むしかない。
ということで、彼女に近づき、声をかけた。