【元デリヘル店長の回想録】世間って狭い! 中学の同級生がまさかの入店!!

 面接を終え、私とトウカは事務所近くのラブホテルに向かった。

 いつも通りの講習なのに、相手が顔見知りとなると、やはり緊張してしまう。

 普段なら、ホテルに行くまでにいろいろ世間話するのだが、今回はあまり喋れなかった。


(ダメだダメだ! 相手が同級生だからって関係ない!)


 自分の中にある羞恥心のようなものを振りきるかのように、頭をブルブルっと左右に振ってみる。

 なんとか頭をスッキリさせ、入室とともに口を開く。


「それじゃトウカちゃん、基本的なことから教えていくね」


 靴を揃えること、上着を預かること、空調を整えること、照明を調整すること…デリヘルのいろはを淡々と叩き込んでいく。

 普段は自分が楽しむためにやることが多いこの講習だが、今回は真面目に仕事を教えた。

 だが、とりあえず基本的なことだけ教えてしまえば、あとは自由だ。

 簡単に入室後の行動を教えると、続いて彼女の裸が拝めるシャワーだ。

「じゃあ次は、シャワーだね。服、脱ごうか」


 私の言葉に、少しだけピクッと反応するトウカ。

 目を合わせないようにして、ゆっくり服を脱いでいく。


「うー。やっぱり…恥ずかしいね」


 顔を赤らめ、露わになった裸を手で必死に隠そうとするトウカ。

 同級生の裸というだけで感慨深いし、なにより隠そうとする仕草が可愛らしく思えた。


「トウカちゃん、可愛いよ」

「恥ずかしいんだから、やめてよぉ…」


 彼女をからかいながら、シャワーでの洗体を教える。


「ボディソープを使って洗う時は、体を密着させて、こすり合わせる感じね」

「こ、こんな感じかな?」

「うん、そうそう。上手いよ」

「な、な、なんかこれ、すごいエッチだよね」


 顔を赤らめながらそんなことを真剣に言う彼女を見て、思わず噴き出してしまった。

「なんで笑うのぉー!」

「ごめん(笑)。なんか面白かったから」


 この会話をきっかけに、緊張が一気に緩んだ。

 私たちは談笑しながらシャワールームを出て、ベットに向かった。

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