卒業もあり得る? 迷走する指原の中途半端な立ち位置

akbsashihara0610main.jpg※画像:指原莉乃/撮影=岡崎隆生

 会場となった日産スタジアム(横浜)には約7万人のファンが集い、国内外から700以上のメディアが押し寄せたという「AKB48 32ndシングル選抜総選挙」。フジテレビ系で8日夜に放送された「AKB48第5回選抜総選挙生放送SP第1部」(午後7時~同9時15分)の平均世帯視聴率は20.3%(関東地区)で、昨年の18.7%を上回る高視聴率を記録し、根強い人気を示した。

 また、瞬間最高視聴率は、HKT48の指原莉乃が初の首位を獲得した午後9時1分の時点で32.7%。指原の1位獲得がファンに与えた衝撃の大きさをを物語る数字だが、この「衝撃」は、本命視されていた大島優子や渡辺麻友に勝利した、というだけの単純なものではないようだ。AKBファンとして知られる漫画家・小林よしのり氏も「こんなに感動がない総選挙は初めてだ」と、自身のブログで苦言を呈し、指原1位が決まった瞬間、会場に「しらけムード」が蔓延したことや、大島2位が発表された後、つまり指原の1位が決定した瞬間に、イベント途中で会場を出て行く人が目立ったことを報告している。

 指原といえば、昨年の総選挙で4位と躍進するも、その直後には過去にファンとの性的関係を週刊誌に報じられ、ペナルティとしてHKTに“左遷”された。しかしその後も指原のメディア露出は減ることはなく、自身がプロデュースするアイドルイベントを武道館で開催するなどの多忙な生活を送っており、現在はHKT48の劇場支配人も兼任している。また、秋元氏は総選挙直前のインタビューで「指原は1位を狙っています」と、指原を推しているともとれるコメントを残している。今回ファンが感じた「しらけ」の裏には、こういったあからさまな贔屓が「出来レース」を想起させたことがあるのかもしれない。

 本来は裏方に徹してグループを支えるべき「支配人」を兼任している指原が1位を獲得し、HKTの他のメンバーでは宮脇咲良の26位が最高順位になるなど、HKT人気のアンバランスさが露呈する皮肉な状況にもなった今回の総選挙。そもそも、指原をHKT支配人に任命した秋元康氏は以前、指原について「放送作家にならないかと勧めている」「何年かしたらAKBの裏方をしている」と評しており、移籍を言い渡した際にも「指原にはグループやAKBのためにがんばってもらう」と、今後は指原を裏方として育てていく趣旨の発言をしている。

 最近では、ソロデビューの決まったSKE48研究生・松村香織のプロデュースを任された指原だが、SKEや松村のファンからは「折角のソロデビューなのに、指原さんが目立ってしまう」という懸念の声も上がっており、このまま裏方の仕事を続けていくならば、指原の「総選挙1位」は、むしろ足かせになる可能性もある。

 「総選挙1位」の称号が、今後指原の芸能活動にどのような影響を及ぼしていくのかは定かではないが、より迷走し始める可能性は大いにあるだろう。しかし、そこは「サプライズ」を常にファンに提供し続けてきた秋元康氏の影響化にある指原のこと、1位の座に固執することなくあっさり卒業し裏方に専念、という展開も考えられなくはない。指原が自身をどのようにプロデュースしていくのか、手腕の見せどころである。

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