【ネットナンパ】ガーリックちゅう

Illustrate by ながおか

 体臭と口臭、齢40を越えて早幾年の筆者トコショーにとって非常に気になる問題だ。女性に嫌われたくない一心で、体臭が薔薇の香りになるというサプリを飲んだり、モンダミンを常備したり、柿渋石鹸で身体を洗ったりと常日頃から努力している。

 ただ、体臭にしろ口臭にしろ自分ではなかなかわからないもの。女性に向かって「俺の体臭や口臭ってどんな感じ?」と聞くわけにもいかず、非常にもどかしい。まるで見えない敵と戦っているかのようだ。

 性欲だけはまだまだ10代後半の男子レベルをキープしているが、そろそろ本格的にアンチエイジングするべきなのかと悩む今日この頃であった。

 
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歌舞伎町で(ハート) 
 

友達と食事して解散したところです☆ 
 
このままお家に帰るのは淋しいので、
誰か会える方いませんか??(*^^*) 
 
楽しく濃厚なプレイしたいな(^-^)
最低でも2回くらいできる人も大歓迎です!! 
 
11月1*日19時55分
受付メール数:0/無制限 
 
♀☆トモ☆
23歳
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 いつものように筆者愛用サイトの一つである【イククル】でお相手を物色していると、こんな書き込みを発見した。「最低でも2回くらいできる人」というフレーズにチンピクしてしまう筆者。こうやって最初から複数回を求めてくる書き込みは、業者の可能性が低くてエッチに積極的な女性が多いからである。

 そんなワケでさっそくアプローチ開始。

 
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こんばんは、トモさん。新宿の会社員のショーイチです。 
 
私も食事を終えたところで、ちょうどヒマしてました。
歌舞伎町の近くにいるので、場所と時間を指定してくれたらスグにでも行けますよ。 
 
詳しい条件とか希望とかを教えて貰えると嬉しいです。
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 なんの代り映えもしないファーストメールだが、【アダルト掲示板】内の【スグ会いたい】カテゴリーではこの位がちょうどイイのである。詳しい自己アピールや、下手なウケ狙いは無用で、シンプルな内容で十分なのだ。

 すぐにトモちゃんから返信が届き、数回ほどのメール交換でアッサリと交渉が成立。待ち合わせ場所はこちらに任せるとのことだったので、西武新宿駅南口の喫煙コーナー付近の花屋さんを指定した。

 待ち合わせ時間の10分前に到着した筆者は、喫煙コーナーで一服開始。煙草を吸いながら、「あと5分くらいで着きますよ」とトモちゃんにメール連絡。すると「私もそれくらいで到着しますね」とすぐに返信が届いたので、まずは一安心。

 道行くおデブちゃんや不美人を脳裏に焼きつけながらのんびりと一服を終え、10数メートル離れた花屋に向かい始める。すると、花屋の前で人待ち顔の女性を発見。あらかじめメールで聞いていた服装だったので、それがトモちゃんだと思われる。若干歩調を緩め、彼女の容姿を確認する。
 
 
 
  ウホ! 
 
 
 
 鼻息が荒くなってしまった。久しぶりの大当たりである。沖縄出身の歌手・知念里奈を彷彿とさせるクール系な顔立ち。ちょっと爬虫類っぽい感じがしなくもないが、こういうエキゾチックな美女も嫌いじゃない。いや、大好物である。

 
「こんばんはぁ、トモちゃんかな?」 
 
「あ、はい」 
 
「お待たせ。イククルで約束したショーイチです」 
 
「あ、トモです。よろしくお願いします」 
 
「こちらこそ、今日はよろしくね。じゃ、さっそく行こうか」

 
 筆者の足どりはいやでも軽くなってしまう。だが、焦ってしまっては元も子もない。彼女の歩幅に合わせて、ホテル街の方向へエスコートを開始した。

 
「友達と食事してたって言ってたけど、新宿で食事してたの?」 
 
「いえ、青山で食事してたんです」 
 
「へぇ、ずいぶんオシャレな街で食事してたんだね」 
 
「ひさしぶりに高校の時の友達と会ってたんですよ」 
 
「じゃあ、新宿は帰り道の途中とかなのかな?」 
 
「はい。まっすぐ家に帰るつもりだったんですけど、ちょっと淋しくなっちゃったんで途中下車しちゃいました」

 
 テンポ良く会話も弾み、徐々に自然な感じの笑顔を向けてくれるようになった。これなら楽しくイチャイチャできそうだと内心で喜ぶ筆者。

 
「あ! そうだ。最低でも2回はしたいって書いてたけど……」 
 
「あの、私、終わってすぐにバイバイとかそういうアッサリなの苦手なんです。だから……」 
 
「あぁ、わかる、わかる!! そうだよね、どうせ遊ぶなら時間とか気にしないでラブラブしたいよね」 
 
「はい!」

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