危ない素人売春 出会い系カフェ殺人事件

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『エッチ産業の経済学』著:岩永文夫

 割り切り、サポ、援助交際、数々の呼び名はあれど、そこで行われるのは金銭と引き換えのセックスや、それに類似するみだらな行為。つまり売春だ。いま、出会い系サイトやテレクラなどに代わる素人売春の温床となっているのが、「出会い系カフェ」だ。そのシステムはどうなっているのか。

 ある店では男性は5,000円~1万円程度の入会金が必要で、女性は無料。そして入会後男性は1時間1,000円の待合室使用料を支払って入店し、選んだ女性と合意すると店側に3,000円支払って連れ出すのだという。店内はマジックミラーで仕切られており、男性側からは女性の姿が見える、というところが多い。店側としては演出するのはあくまでも出会いの場、その後は売春しようが何しようが一切関知しない、という主張だが、実際は女性も男性も売春の窓口として利用していることは明白で、店側もそれを匂わせながら集客している。これは当然露骨にやれば売春防止法違反(周旋)に当たる。今年9月1日には大阪市淀川区の出会い系カフェ「出逢い空間えんじぇるはーと西中島店」店長ら3人が逮捕され、全国で3例目の出会い系カフェの摘発となった。

 キャバクラでも風俗店でもなく、出会い系サイトでもない。こういった店にわざわざ出向く女のコはいったいどういうコなのか。

「やっぱりズレたコもそこそこいますけど、大半は普通の女の子ですよ。20代くらいの若い、イマドキって感じのコが多いね。中には顔もスタイルもいい上玉もいたりして。他にもっと本気で稼ごうと思えば稼げるところに行けそうだけど、バイト感覚だからいいってコが多いですね。キャバクラとか風俗だとノルマとかがあって面倒くさいとか。楽して稼ぎたいんでしょうね。ガツガツはしてないんですがうまい話にはカンタンに食いつきそうというか、無防備な女のコが多いような気がしますね」(風俗通男性33歳)

 9月24日には私立大学4年生の吉原麻実さん(22)が、出会い系カフェで知り合った紺野正美容疑者(29)に東京都豊島区のラブホテルで首を絞め殺されるという事件が起こった。紺野容疑者は出頭に付き添った知人男性に「財布にあるはずの現金がなくなり、女性とトラブルになった、気付いたら首を絞めていた」と説明したという。

 「出会い系カフェ」は客との交渉はすべて女性が単独で行うため、交渉次第では風俗よりも割がいい。また、条件のいい男性がいれば定期的に会う「愛人契約」をして比較的安定した収入を確保することも可能だ。こうした敷居の低さと短時間での高収入に魅かれ、名門女子大生までもがお小遣い欲しさに手を出すことも少なくない。しかし、よく知らない男性と密室で2人きりになるということは、基本的に非常に危険なことなのだ。一度大丈夫だったからといって次も無事に済むという保証はない。本当に恐ろしいのは、自分自身の危機意識の退化ではないだろうか。

『フーゾク進化論』著:岩永文夫

 
この道30年のベテランが取材!

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