<イギリス発>
日頃お堅いと思われがちなイギリス人。実はその伝統的でストイックな清教徒文化の裏には、いわゆるむっつりスケベ的な面があるのではなかろうか(というのは筆者の単なる自分勝手な印象であるが)。しかし、むっつりで、性的欲求があまりにも抑圧されている方々というのは、一度タガが外れるととんでもないことをしでかすことも多々ある。
イギリスのタブロイド紙「THE SUN」のインターネット版に、写真までデカデカと載せられてしまったこの恥ずかしいニュースの主役は、ウェールズ地方で小学校教師を務めるプリム・ジェーン・モイルさん(45歳)。学校から配給された仕事用のラップトップに、彼女が「主演」するセックスビデオが9本もダウンロードされていたのを、コンピューターを修理に出した際に他の職員に発見されたという。もちろん、イギリスの片田舎にある小さなこの学校、PTAの手前もあり大騒ぎになってしまった。というわけで、モイルさんは早速会議にかけられたという。
その会議で明らかになった事実(彼女の主張)によれば、セックステープはやはり教師である彼女の夫によって撮影され、モイルさんの知らぬ間にインターネットのAVサイトに有料配信されていたらしい。その数、なんと80本! 学校側としては、「80本もセックステープを作っておいて、知らなかったでは済まされない」と当初モイルさんを休職処分にしたが、彼女は「鬱を煩う夫の気分を盛り上げるため、プライベート用としてビデオを撮影したが、まさか自分の仕事用ラップトップにダウンロードされ、インターネットで世界に配信されていたとは夢にも思わなかった」と主張。
確かに、もしそんなビデオが仕事用ラップトップにダウンロードされていたと彼女が知っていれば、修理に出す前にビデオを消しておいただろう。一般人、特に小さな町に住む普通の中年イギリス人女性が、好き好んで自分のプライベートなセックステープを世界配信するというのも考えにくい。
セックス自体は誰でも家(または他の場所)でしていることなので、そう主張されれば学校側もしぶしぶ認めざるを得なかったのかもしれない。とりあえず、「わざとではなかった」と認められ、休職処分を解かれたという。
同じく教師である夫は事件前にすでに辞職していたが、もし現職であったならば厳しい処分を受けていただろう、というのは学校側の弁。しかし、モイルさんも夫も、スキャンダルが勃発してからまだ職場に復帰していない、ということである。
彼氏や夫君にセックステープを作らせるのも刺激的でいいかもしれないが、その後のこといろいろを考えてからにしたほうがいい、といういい例だろう。セレブでもそれをネタに脅されたり、恥をかかされたりしているが、最近はC級以下のセレブが売名行為と金銭目的で自分からテープをリークしている、という噂も聞くが……。
(文=相馬 佳)
国家存亡の危機!