吉原、激変! 生き残りをかける日本一の泡街

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 コロナ禍で吉原が急変している。今年当初は135軒あったソープランドが、新型コロナウイルスの影響により、現在は126軒にまで急減。『なにわ』『グランプリ』『ダイヤモンドクラブ』『英國屋』など、名だたる老舗が続々と店を閉めている。

 吉原では、コロナ禍の影響で3月から客足が激減し、嬢によっては1日に客数がゼロとなる、いわゆる「お茶を引く」日が何回も出ていたという。

 4月7日に緊急事態宣言が出された後、吉原の街から人の姿が消えていく。いつもなら夜になると輝く店舗のネオン看板も消えたままで、薄暗いソープ街に。この不気味な雰囲気は、2011年3月11日の東日本大震災以来の出来事であった。

 

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 東京都の小池百合子知事が4月10日に発表した遊興施設などへの休業要請により、以後吉原のソープランドはほとんどの店が営業を自粛し、休業状態となった。

 吉原は日本一の規模を誇るソープ街であり、総額5万円以上の高級店が50店近くもある。もともと高級店が多い泡街なので、地代やスタッフの人件費、水道光熱費などの固定費がそれなりにかかる。店を休業していても多額の賃料がのしかかり、営業を再開しても客が来なければ人件費や水道光熱費が大きな負担となる。まさに「開けても地獄、閉めても地獄」と言った感じである。

 

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 昨年までかなりの人気を集めていた外国人客専門店『パラダイス』も閉店に。ここ数年、「爆買い」と騒がれた中国人団体観光客の来店により、吉原全体は大きな恩恵を得ていたが、今年に入ってコロナの影響により中国からの観光客が消滅。景気よく遊んでくれた上客がいなくなったことにより、街の景気は地盤沈下していった。

 そのうえ、4月の緊急事態宣言と休業要請により、日本人客までいなくなり、一時はゴーストタウンのような雰囲気にさえなっていた。

 

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 閉店した『パラダイス』は、HPが外国語表記であったり、泡姫の実物指名ができるなど、外国人客にとっての遊びやすさを追求していた店で、川崎・南町で人気になった後、吉原に進出してきた店である。オリンピックを間近に控えて急増する見込みだったインバウンド需要が一気に消滅したことが、吉原のソープに及ぼした影響の大きさは計りしれないものがある。

 店舗が休業中に、稼げなくなった女の子が都内のデリヘルへ面接に行ったり、北関東のソープ街へ出稼ぎに行ったりしていた。5月7日からは30店ほどが営業を再開したが、客足はまばらなので、店側は出勤数を絞って対応していた。予約が入ったときだけ、シャッターを開けて、客を店に入れていたところもあったという。

 

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 現在、吉原では総額11万5000円(120分)の超高級店から、総額8500円(50分)の激安店まで、さまざまな価格帯の店がひしめいている。これから生き残っていくのは、「値段は高いが嬢の質もすごく高い店」「早朝から営業していて、とても値段が安い店」「学園コスプレで遊べる店」「人妻や熟女が癒してくれる店」など、客にとって選びやすい店、コンセプトのはっきりした特徴のある店となるのが予想される。

 

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 コロナ禍でこれまでにない厳しい状況に追い込まれている吉原。復興は店側の経営努力にかかっている。今後はこれまで以上に「客から選ばれる理由」があること、それを明確に打ち出すことが、吉原のソープが生き残るための必要条件となっていくことは間違いないだろう。

(文・生駒明)

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