ダンス教室に来た女性を次々に「餌食」にしていた教師

ThinkstockPhotos-56293605.jpg※イメージ画像:Thinkstockより

 いつの時代でもセレブと呼ばれる人々はいて、そうした優雅な階層を狙った犯罪も、時代をわたって散見する。

 昭和8年といえば、日本が国際連盟を脱退したり、作家の小林多喜二が特高(特別高等警察)の拷問によって虐殺されるなど、暗い時代へと傾斜していった頃である。庶民生活はきびしい状況で、生活苦から働く女性も激増していった。

 その年の8月4日、東京・新宿でダンスホールで主任教師を務める28歳の男が検挙された。

 このダンス教師、ホールに出入りする女性たちと次々に関係していた。そして、「中には外交官、実業家の夫人令嬢等も」いたという。

 これだけなら単なる遊び人、プレイボーイだが、この教師、「これ等の女を他の男に紹介して手数料」を取っていたというから、いわば管理売春まがいのことをやっていたわけである。セレブを含む女性たちと関係を結んで言いなりにして、男に紹介してはカネを儲けていたというわけだ。

 さらにこの教師、24歳の妻に同じ新宿でダンススタジオを経営させ、集まってくる男女を夫婦そろって誘惑していたらしい。

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