「貞操蹂躙だ!」 とんでもない手口で慰謝料を騙し取ろうとした結婚詐欺の女

ThinkstockPhotos-473915574TP.jpg※イメージ画像:Thinkstockより

 結婚や男女関係などをネタにして、相手からカネを巻き上げようとする手口は後を絶たない。この手の詐欺やトラブルはかなり多いことと思われるが、なかなか発覚しないのが現状ではなかろうか。その中で、明るみに出た事件をひとつ。

 昭和8年のこと、大阪で慰謝料請求の裁判が起きていた。原告は33歳の女性で、38歳の男性に対して1000円の慰謝料を求める訴訟を起こしていた。当時、内閣統計局の家計調査によれば、都市部のサラリーマンの平均月収が92円23銭という時代である。

 女性の主張によれば、「一昨年の2月に男性が出した求婚広告に応じてその年の10月末に式を挙げて同棲した。ところが、男性は自分を捨てて12月にはすぐに再び求人広告を出した。これは貞操蹂躙だ」というものである。

 つまり、男性は広告で求婚の意思を示していながら、まるで品物を選ぶように結婚というものをないがしろにして自分の貞操をもてあそんだので、その損害を賠償しろというのである。

 ちなみに、新聞広告などで結婚相手を募集することは、戦前には特に珍しいことではない。明治以降、都市部などでは結婚相手が見つからないといったケースが多くなったため、広告などに頼ることも選択肢として選ばれるようになった。「お見合い」という手法が考案されたのも、明治以降といわれている。また、写真だけで相手を選び結婚まで決めてしまう「写真結婚」も多くなり、トラブルも続出している。

 さて、女性の訴えはもっともに聞こえるが、審理を進めていくと女性の主張に疑問が生じてきた。その内容は、記事を見るとちょっとややこしい。

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