7歳少女と8歳少年が覚悟の駆け落ち

ThinkstockPhotos-464802754.jpg※イメージ画像:Thinkstockより

 明治・大正期の新聞記事には、男女の心中や駆け落ちの話題が頻繁に登場する。

 その男女のパターンは実にさまざまで、不倫カップルをはじめとして、親に結婚や交際を反対された若いアベック、良家の令嬢とその家の使用人といったいわゆる「身分違い同士」、人妻と学生、または芸妓や女給などといった職業筋の女性と男子学生、さらには30歳40歳と年の離れた男女まで、本当にバリエーションは多い。

 なかには、ひとケタ同士の駆け落ちの事件まである。

 明治34年(1901)東京・本所区向島(現・墨田区)にある秋葉神社の境内で、杉の樹の根元でまだ幼い少女と少年の子供2人が毛布に包まって眠っているのを、近くを通りかかった30代女性が発見、警察に通報した。2人の寝ていた側には、まな板や包丁、茶碗まで置かれていた。

 2人は駆けつけた警官によって警察に保護された。2人とも寝巻のままで、少女は現金1円を所持、少年は無一文だった。

 さらに署内で係官が事情を聞いた結果、少女(7)は日本橋にある某学舎の教授の娘で、少年(8)はその学者に通う寄宿生とわかった。寄宿生といっても寮で生活しているのではなく、少女の家に下宿して学舎に通っていたらしい。

 この年の7月から自宅から下宿に移って学舎で勉強するようになった少年は、自然と少女と親しくなっていった。やがて、「日夜、他の生徒の隙をうかがい、一室にて何事かを語りつつ」という間柄になっていったという。

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