「情熱を燃やすところがない」大島優子の『情熱大陸』、内容の“薄さ”に批判の声も

1021ohshima_main.jpg※画像:大島優子/(C)AKS

 毎回、さまざまな分野で活躍する人を取り上げるドキュメンタリー番組『情熱大陸』(TBS系)。10月20日の放送回では、AKB48の大島優子が出演した。2006年、17歳で受けたAKBのオーディションの映像から始まった同番組は、リハーサルで後輩を指導する大島の姿や、「(年をとっていると)しょっちゅう感じます」「でも、パフォーマンスや体力、ハートの強さっていうのは若い子には絶対負けない」など、世代交代といわれる現在のAKBの中での心境を吐露した。

 大島は以前から握手会での対応のよさに定評があるが、番組ではその握手会で一人ひとり目を合わせて会話を交わす様子も放送。それを「普通のこと」と言い切り「全部吸収の場所にする」という言葉を発するなど、プロ意識の高さを見せた。しかし、主要メンバーの卒業が相次ぐ現状には「(置いていかれるという寂しさは)もちろんあります」とし、今のAKBの中では「自分に負荷をかけるものがない」「情熱を燃やすところがない」と微妙な立ち位置であることも語っていた。

 かねてから女優志望であることを明かしている大島だが、その理由を「難しいから」「着地点が見えないところがやりがいがある」と説明。後半は、現在出演中の『安堂ロイド~A.I.knows LOVE?~』(TBS系)の撮影現場の様子も交えて放送された。それを受けてか、放送後にはネット上で「結局、ドラマの番宣か」という声が上がっており、それどころか全体を通して「中身薄かったな」「情熱が感じられない」といった意見も目につく。

「番組内での肩書を『AKB48・女優』としていたように、これから女優として成長していきたいという“想い”を全面に出していた大島ですから、ある程度ドラマの宣伝のようになるのもしょうがないところでしょう。実際、そこまで露骨な番宣という感じではなかったですが、番組のラストが木村拓哉の演技を見つめる大島の表情のアップだったことも、その印象を強くしてしまったようですね。しかし、全体的にはやはり山場がなく、ずっと平板だった感は否めません。大島優子のプロモーションビデオみたいで、ドキュメンタリーとしての深みがなかったことが酷評につながっているのではないでしょうか。過去の名作といわれる小栗旬の場合は、クタクタになりながらも役者として一皮むける瞬間を切り取ったようなカタルシスがありました。また、堺雅人のときは『情熱ないですよ』と言いながらも『酒を飲みながら本を読むと著者の気持ちがわかる気がする』と、意外な一面を知ることができて好評だったんですよね」(芸能ライター)。

 『情熱大陸』とAKB48といえば、2011年には「第3回選抜総選挙」で1位に返り咲いた後に、前田敦子の密着取材の様子が放送されている。そのときは、取材のカメラが目線に入るので演技の邪魔になると怒ったり、台本で顔を隠すようにしてカメラを避けるなど、前田の本質的な部分が垣間見えたことでも話題になっていた。

「もちろん、そういった態度に賛否両論はあったものの、普段は見せない姿を捉えられるのが、密着取材のよさですよね。ドラマの現場で居場所がなくてウロウロしたり『まだ、誰ともちゃんとしゃべれてない』とつぶやいたり、前田の不器用な性格がよくにじみ出ていました。一方、なんでも器用にこなす大島の場合は意外な面が出てこなかったというか、いわばアイドルとしての知っている顔ばかりだったのでおもしろみに欠けるという声が多いのではないでしょうか。AKBはドキュメンタリー映画『DOCUMENTARY of AKB48』シリーズを2011年から3作公開していますが、そこには壮絶な舞台裏などアイドルの悲哀が盛り込まれています。それを見ているファンとしては、物足りないと思うのも当然でしょう。前田は、自分が密着取材されている際に『内容がない「情熱大陸」になりそう』と自虐的に語っていましたが、その言葉が自分ではなくて親友でもある大島のもとに向けられてしまったのは皮肉な気もするところですね」(同)

 番組の中で、秋元康は今の大島を「ここ2~3年は相当悩んでる」と語り、その理由を「手を伸ばしたときの見えないガラスの天井に気づいてる」と説明していた。今後、大島がどうやってその天井の先に進むのか、注目したいところだ。
(文=津本ひろとし)

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