水道橋博士の番組降板宣言、ヤラセ説も浮上した騒動のウラ側

geisui0617main.jpg※イメージ画像:『藝人春秋』著:水道橋博士/文藝春秋

 浅草キッドの水道橋博士が、関西ローカルの『たかじんNOマネー』(テレビ大阪)で橋下徹大阪市長の発言に憤慨し、番組途中で降板を宣言した騒動が波紋を広げている。ネット上では「橋下の正論に勝てず博士が逃亡した」「自分を貫いた博士は立派」などと賛否両論が巻き起こり、一部では「降板は最初から決まっていたヤラセだった」という説まで噴出している。

 騒動の経緯はこうだ。番組中、橋下市長は自身の発言の是非を問う視聴者アンケートで「問題なし」が大多数だったことについて「有権者の方は冷静だなと。小金稼ぎのためのコメンテーターとは違いますよ」と発言。それに激怒した水道橋博士が番組終盤に「橋下さん、冒頭で小金稼ぎのコメンテーターと言われたんで、ぼく今日で番組降ろさせていただきます」と言いだし、再度「(小金稼ぎとは)違います」と言い捨てて退席した。

 放送後、水道橋博士は自身のTwitterやラジオ番組で「あれはパロディーだった」と説明。かつて橋下市長がタレント時代、コメンテーターを務めていた生番組の放送中に降板を宣言したことがあったが、それを真似たパフォーマンスだったのだそうだ。この行動には「あなたもコメンテーターだったんですよ」という博士流の皮肉も込められていたようである。

 一方の橋下氏はTwitter経由で「『小金稼ぎの』は撤回します。すみませんでした」と水道橋博士に謝罪。しかし「ただ政治家である僕らは常に責任を負っていることを理解して下さい。 元慰安婦の方への補償の要否について、大谷氏も須田氏も答えることができませんでした。それで済むのがコメンテーターです」と続けており、さらに「僕の場合には、どれだけ世間から批判を浴びようが、では辞めますとは言えません。コメンテーターの場合にはそれが言えることを博士さんが示してしまいました」とまくしたてた。

 博士の「パロディー」発言に対しても、橋下氏は「僕がかつてTBSサンジャポを降板したことを引き合いに出されていますが、あのときは責任をとって辞めました。しかし今回の博士さんは責任をとったのではなく、批判をされて辞めたのですよね。僕の場合と決定的に異なります」とバッサリ。 腹の虫がおさまらないのか「僕は小金稼ぎと言いましたが、博士さんは相当高いギャラをもらっていたから怒られたと理解しておきます(笑)」と皮肉までぶちかました。対する博士は、橋下氏の謝罪を受けて「こちらこそ、すみませんでした」と大人の対応をしつつ「わかりあえないこともわかってください」と反撃している。

 事態はこれだけに止まらず、橋下市長の秘書を務める奥下剛光氏が「はじめから今日の降板決まってたみたいですよ。ディレクターさんに聞きましたから間違いないかと」とTwitterで爆弾発言(現在は削除)。全くのヤラセではないとしながらも、博士のスケジュールと番組の今後の日程が折り合わず、橋下市長の発言と関係なく降板する予定だったいう考えをツイートした。これに対して、水道橋博士は16日午後に自身のTwitterで「2万パーセントない」とキッパリ否定している。

「3本収録の1本目で降板宣言したことから考えても、完全なヤラセということはないでしょう。スタッフもてんやわんやだったようですから。ただし、博士が以前から番組降板を考えていて、それを発表するセンセーショナルな手段として橋下市長とのバトルを利用した可能性は十分にある。司会のやしきたかじんが再び病気療養に入って番組の勢いが落ちていることもあり、博士流の盛り上げ方だったのかもしれません。局側は博士に慰留を申し入れているようですが、そのゴタゴタも含めてパフォーマンスなんでしょうね」(テレビ関係者)

 ローカル番組での騒動がこれだけ大きく報じられたことはパフォーマンスとして大成功だったといえそうだが、一部では「博士にしてはやることがつまらない」「もっと面白い人だったのに」という芸人としての評価に直結する批判も起きている。喧々諤々の騒動は今後も尾を引きそうな気配だ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

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