NMB48はSKE48を飛び越え“本店”AKBを追撃できるのか

nmb480315.jpg※イメージ画像:『てっぺんとったんで!通常盤Type-N』
laugh out loud records

 2月27日、NMB48の1stアルバム『てっぺんとったんで!』がリリースされた。表題曲についてはテレビ、ラジオ、動画サイトなどでよく見聞きするが、収録曲の中で気になるのは「12月31日」だ。「去年のことを思い出す度涙が出るよ♪」という歌い出しのこの曲が意味するのは、2012年の『NHK紅白歌合戦』への単独出場をNMBが逃したことで、2013年末の紅白への単独出場を目指す強い気持ちを、聴く者に対して暗示している(※何しろジャケット撮影は、渋谷のNHK放送センターのまん前で行われた)。先輩グループのSKE48が昨年の紅白単独出場を飾ったことも「次は私たちが!」という強い気持ちを生んでいるのであろう。

「SKEは2008年、NMBは2010年にお披露目されているので48グループの中では三番目に活動歴が長い。次回の紅白への単独出場は順当ともいえますが、博多を根城とするHKT48、あるいは48グループ外ではあるものの、同じく秋元康プロデュースでNMBにとっては身近なライバルグループである乃木坂46の存在もあるので予断を許さない状況でしょう」(アイドルライター)

 SKEは最新シングル「チョコの奴隷」が62万枚を売り上げ、今も勢いを伸ばし続けている。NMBは安定人気を誇るSKEを追い落とす台風の目となれるのか。元AKB48の古参ヲタで、東京在住でありながら現在はNMBに“推し変”して追いかけているライターA氏はこう言う。

「ちょっと冷静な目を失ってるかもしれませんが(笑)、極力公平に見るように努め見て、NMBは“来てる”んじゃないかと思います。東京と大阪を行き来して思うのは、テレビやラジオに関して、NMBの本拠地・大阪とは放送区域が違うため、在京キー局区域にいるアイドルファンにはNMBに対する強い飢餓感があるのではないかということ。私自身がそうですからネ。実は、近畿地域ではテレビ、ラジオでNMBの冠番組が数も多く、かなり盛り上がっていることがネット上から伝わって来る。『いったいどんなグループになってるんだ!?』と、デビュー当時からその存在は知っていても、改めて気になっている人は多いはず」

 確かに、オーディション時からNMBに密着した『スター姫さがし太郎』(テレビ東京系/2010年9月11日~2011年9月24日)に続き、『なにわなでしこ』(日本テレビ系/2011年7月12日~2011年12月28日)も始まったタイミングで一気に全国区になるかと思いきや、1stシングル「絶滅黒髪少女」、2ndシングル「オーマイガー!」が2曲連続でオリコンウィークリー1位を記録しているにもかかわらず『なにわ~』が終了。

 何で今やねん! という関東のファンの慣れない関西弁の突っ込みの声を残し、以後しばらく在京キー局ではあまり目立たない存在となっていったNMB48。

 AKBの妹グループとして首都圏でも着実に人気と知名度を高めて行ったSKEに対し、NMBは大阪をはじめとする近畿に拠点を定めて活動した。AKBの冠番組(『AKBINGO!』(日本テレビ系)、『週刊AKB』(テレビ東京系)など)にゲスト出演することも比較的少なかった。しかしその一方で、地元での足場を着実に固め、ご当地ではAKBを凌ぐ人気を得るまでになって久しい。

 AKBも元はといえば地元(秋葉原)密着型。今でも2ちゃんねるでAKB48が“地下アイドル”にカテゴライズされているのはその名残だろう。そんなローカル性から来るレア感が熱狂に火を点けたことがそもそもの発端だったが、NMBにはそんな当時のAKBと似た、しかももっと大規模な状況があるのかも知れない。トークが関西弁であることも、ご当地感に拍車をかける。

「芸人さんとの絡みが多いので、舞台度胸やトーク力は間違えなく鍛えられているでしょうね。そのお陰でバラエティタレントを目指して卒業を決めるという福本愛菜みたいなメンバーも出現しちゃいましたが(笑)…。そんなお笑いへの傾倒があったとしても、吉本興業が運営に携わっているというのは関西を中心に活動するNMBの大きな強みだと思います。とにかくスケジュールがキツくて彼女たちは大変だと思うんですが、その分テレビ、ラジオ番組、CMの多さは現在の東京でのAKBに匹敵するかそれ以上に見えます」(前出A氏)。

 2012年の夏から放送された、久々の在京キー局制作の冠番組『NMB48 げいにん!』(日本テレビ系)は好調。架空の学校『私立なんば学園』の“お笑い部”を舞台に展開するドラマを基調に、先生役のフットボールアワーが回し役となった大喜利、回ごとに違ったメンバーが披露する漫才で構成された番組だったが、同時期に放送されていたAKBのドラマ『マジすか学園3』(テレビ東京系)を視聴率で抜いたこともある。この番組でNMBを再認識して注目するようになったという意見は、AKBヲタの書き込みなどに散見される。

 また、この『げいにん!』による二度目(『スター姫~』から数えると三度目)の関東進出から2カ月足らずで、NMBの主要メンバー・山本彩、渡辺美優紀による写真集売り上げバトルを仕掛け(発売は11月)、話題を呼んだ。これをきっかけに、山本彩、渡辺美優紀の雑誌、漫画誌のグラビアでの水着姿が多発。特にNMBリーダー・山本彩の水着は過激なデザインのものが多くて驚かされる。最近では他のメンバーのグラビアへの登場も増加し、関東圏ではまだまだ新鮮度の高いメンバーが多いことから勢いはさらに増しそうだ。

 「今年は胸を張って単独で紅白歌合戦のステージに立ちたい!」と山本彩が公言したように、現状程度の盛り上がりで満足するようなグループではないNMB48。“本店”であるAKB48は、現在世代交代を図ろうと躍起なようだが、NMBがSKEを飛び越えてAKBを脅かす存在に急成長してくれれば、グループ全体の延命も含め、状況は面白くなるだろう。
(文=ルート666)

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