前門の壇蜜、後門のAKB、左にMUTEKI、右に風俗で四面楚歌! セクシー系グラドルのジレンマ

danmitu0306.jpg※イメージ画像:『ニンフォドリーム』ラインコミュニケーションズ

 現在、グラビアアイドルの事務所やマネジャーの間では「壇蜜ショック」なる言葉が飛び交っているそうだ。先日の菜々緒と西川貴教の破局にしても、3月5日の東スポ紙上で「壇蜜のブレイクでバラエティー系セクシータレント枠が一つ減ってしまい、キャラがかぶっている菜々緒がのんきに恋愛している場合じゃないという危機感が原因の一つ」などと書かれていたが、モデル枠、女優としても活躍している菜々緒が危機感を感じるほど、今の壇蜜は破竹の勢いを持っている。ルックスやスタイルに頼るだけのグラドルは、テレビ番組の隙間に入り込むことすら難しくなっているのが現状だ。

「グラドルの名を全国区にするための売り出しの入り口だった深夜バラエティ番組も、今ではひな壇にグラドルを並べるようなスタイルの番組が作れるような贅沢な予算は与えられていませんし、情報番組のレポーターやアシスタントもファッションモデルや読者モデル出身者が参入して供給過剰状態。割って入るのは難しくなっています。雑誌媒体はグループアイドルが水着になって漁場を荒らしていますし、正直な話、地上波のパチンコ番組に出演できれば御の字で、主戦場はCSとかネット番組になっているんですよ」(放送関係者)

 そんなグラドル冬の時代に天下を取った壇蜜は、相当の実力者だといえよう。壇蜜の場合、普通のグラドルがキャリアを重ねるに従って露出が増えてセクシーを売りにしていくのに対し、最初に脱いでブレイクしてから、ゴールデンの番組に進出するという「逆パターン」で、グラドルというよりむしろAV出身のタレントのパターンを踏襲している。おまけにあれだけ「男のロマン」に即したキャラクターでありながら、女性ファッション誌や女性週刊誌にも起用される幅の広さもある。さらに、彼女と仕事をした業界人は皆、「ものすごくいい人だった」と口をそろえる。あまりの露出過多に世間から飽きられてしまう危惧もあるが、業界受けの良さはタレントにとって何より大事だ。

 そんな壇蜜が前門の虎とすれば、後門の狼になるのがAKB48である。

 現在でも、かなりセクシーな水着や手ブラも辞さない彼女たちにグラドルは押されているわけだが、本当に怖いのはこれからだという。

「AKBを卒業した子たちの方が、清純キャラを脱皮してセクシー路線に大きく舵を切れるので、グラドルにとっては脅威です。例えば現在でも『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)で、OGの野呂佳代が腰元役になり、これまで志村の寵愛を受けていた一人・グラドルの小林恵美が押し出されてしまった。AKBはバラエティ番組の露出も多いので、場慣れしているんです。現役でもレギュラー出演番組のある大家志津香や大島優子はもちろん、卒業を発表している河西智美は、番組降板の事件があったとはいえ、ゴールデンのゲスト出演の経験は豊富。板野友美も、バラエティは苦手と言いながら、同じ事務所のさまぁ~ずとの相性は抜群で、絡む芸人次第ではものすごく面白い。増田有華にいたっては冠番組まで決定している。さらにまだ現役でバラエティ班の指原莉乃や小嶋陽菜などが控えているわけで、彼女たちが卒業してピンのタレントとしての活動を本格化したら、所属している事務所の力からいっても、相当な脅威なんです」(グラビアアイドル担当マネジャー)

 深夜番組のひな壇という入り口がなくなり、ゴールデンのバラエティは競争率が激しすぎ、雑誌のグラビアだけでは鮮度が落ちてしまうので、どんどん過激な露出をしなければならない…。正直な話、前門の壇蜜、後門のAKBばかりか、左にMUTEKI、右に風俗・キャバクラという四面楚歌状態なのが、現在のグラドル界だという。なんとか打開策はないものだろうか?

「厳しい状況ではありますが、吉木りさや壇蜜のような売れっ子もいないわけじゃない。しかしグラビアでは大人気でDVDがメガヒットしたのに、吉木はテレビに出ずっぱりとはいかなかった。何が違うのかといえば、やっぱりトーク力です。吉木は『キャンパスナイトフジ』に出演していたときに鍛えられたものの、喋りはイマイチ。しかし壇蜜は年齢相応の常識があり、ギャルやフツーの若い女の子とは違うおっとりセクシーな話し方も好感度を支える柱になっています。今までグラドルは見せてなんぼの世界ですから、テレビや雑誌に仕事が集中していましたが、これからはラジオも大切な主戦場になるでしょうから、そちらの勉強をさせています」(前同)

 幸い、今はポッドキャストやニコニコ動画など自己発信のツールはいくつもある。それらを活用して、自分で自分を売り込めるだけの武器を持たせるのだそうだ。さる芸能プロのデスクも、「一芸を持たせることが大事」と熱弁を振るう。

「オバカや知性派といった枠は埋まっている。グラドルでユニットを作ってCDを出すのは前からやってますが、これからはもともと歌唱力のあるグラドルに本格的にボイストレーニングさせるなどして、本気で歌で勝負するとか、舞台に出演させまくって演技の勉強をさせるとか、手品や料理でも本が出せるぐらい勉強させるとか、とにかく武器を持たせることしかないですね。歌も女優も素人芸ではAKBにかないませんから」(芸能事務所社長)

 現状をグラドル受難の時代ととらえることは簡単だが、逆に言えば、やる気があり、努力をする本物のグラドルにはチャンスがあるということでもある。彼女たちの活躍を応援したい。
(文=潜水亭沈没)

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