メンズサイゾー事件簿

マージャン大会の1等景品に「女子高校生」!で逮捕された事件

marhjan0225.jpg※イメージ画像 photo by letphotospeak from flickr

 群馬県渋川市で有志によるマージャン大会が開かれたのは、昭和50年(1975)10月中旬のことだった。参加者は飲食店経営者や不動産会社社長、建築士や自動車のセールスマンなど12名。参加費は5,000円で、会場は市内にあるレストランの宴会場だった。

 このように紹介すると、地方の商店街か商工会の親睦かなにかのようにしか聞こえないだろう。だが、問題はその「景品」だった。このマージャン大会では、1等および2等の賞品は「若い女性」だったのである。しかも、それは現役の女子高校生だったのだ。

 このマージャン大会を企画したのは、渋川駅前でスナックを経営する27歳のMという男。このMが経営するスナック、地元の女子高校生の溜まり場となっており、売春行為が横行していた。Mもまた、彼女たちの売春を知り合いなどにあっせんしていたのである。

 そうするうちに、Mは知り合いや女子高校生を集めて温泉旅行を企画。伊香保温泉の旅館で男女10人で泊まりこみ、ポルノ映画を上映しながらそのまま参加者が入り乱れるという「乱交ツアー」を実施した。

 さらにMは、彼女たちをあっせんする目的のマージャン大会開催を思いつく。「女子高生をエサにすれば、食いつくヤツがたくさんいるに違いない」という考えたのだ。そして、知り合いなどに声をかけ、参加者を募った。さすがに女子高校生というわけにはいかず、「1等と2等には、東京から若いモデルを連れてきて『ひと晩サービス』させる」と説明した。当時、大卒初任給がまだ6万円から8万円程度の時代である。5,000円の参加費はそれほど安いモノではなかったが、「若い美人モデルとホテルで夜通し楽しめるなら安いモノ」と考える向きは少なくなかったのだろう。その結果、12名の参加希望者が集まった。

 当日、予定通りにマージャン大会が行われた。参加者は、早く「賞品」を手にしたかったのか、2時間ほどで終了。どんな人物が1等と2等になったのかは、当時の報道では年齢などがまちまちでよくわからないが、ともかく2人ともMが用意した女性をたしかに大会後すぐに獲得したようだ。そして、そのままクルマでホテルに急行すると、思う存分楽しんだことは想像に難くない。

gyokushincho0225_01.jpg画像:『週刊新潮』76年1月29日号
gyokushincho0225_02.jpg画像:『週刊サンケイ』76年2月5日号

 ところが、マージャン大会から1カ月ほど経った75年11月、Mが経営するスナックに県警渋川署の捜査員が現れた。

「女子高校生が売春をしているという話をご存知ですか」

 Mは愕然となった。売春をあっせんしていることや、温泉旅行のこと、マージャン大会のことも警察にバレたに違いない、そう思ったMは、捜査員が帰るとあわただしく身の回りを整理し、スナックを売り払って逃亡した。だが、それはMの早合点だった。

 実は、警察は市内のスーパーでの万引きで補導した女子高校生から売春の情報を引き出した。警察は女子高校生たちが自分達のネットワークで売春を繰り返しているだけであって、スナックは単なる情報交換の場に過ぎないと考えていた。捜査員たちがMのスナックを訪れたのも、「善良な市民からの情報提供に協力してもらいたい」というものだった。

 ところが、店を売り払って逃亡したことで、警察はMを怪しいとにらんだ。そして捜査を進めた結果、乱交ツアーやマージャン大会の事が発覚。これをうけて警察はMを全国に指名手配した。すると、もう逃げ切れないと思ったのか、年明けの76年1月16日、Mは弁護士とともに渋川署に出頭。その場で売春防止法違反ならびに県青少年保護育成条例違反の容疑で逮捕されたとのことである。
(文=橋本玉泉)

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