鈴木おさむ著作に噛みついたキンコン西野と内村光良の遺恨

uchimura0219.jpg※イメージ画像:『クイック・ジャパン 106』太田出版

 森三中の大島美幸が、2月18日深夜放送のバラエティ番組『10匹のコブタちゃん』(フジテレビ系)で、キングコングの西野亮廣に怒りを爆発させた。

「キングコング西野な、お前な、全然面白くねーんだよ」
「お前の漫才で笑ったこともない。お前が(ネタを)書いてるそうだな」
「ツイッターを甘く見過ぎてるんだよ。お前の一言をちゃんとここで、ちゃんとゼロにしろ。誰も怒らないかもしれないけど、私は怒るよ」

 なかなか過激な発言だが、事の発端は、大島の夫である鈴木おさむの著書で、3月23日から映画も公開される『芸人交換日記~イエローハーツの物語~』(映画名は『ボクたちの交換日記』)に対して、西野がTwitter(ツイッター)で暴言を吐いたことにさかのぼる。

 西野は2月4日、ツイッターで「『芸人交換日記』なんて、ちっとも面白くないし、都合よく乗っかる芸人はもっと面白くないですね」とつぶやいた。これに鈴木おさむが「ぼくの書いた物はいくら批判してもいいですが、『都合よくのっかる芸人って誰のことを言ってるんですかね? この言い方は正直悲しいです』と応じると、すぐに謝罪した西野だったが、彼には他のユーザーからも多くの批判が浴びせられた。

 以前から、西野は数々のビッグマウスやネット住民を煽る発言を繰り返しているが、今回のツイートは業界内でも「度が過ぎた」と言われている。というのも、『芸人交換日記』は2011年と今年2月に舞台化されており、オードリー若林正恭(2011年)、雨上がり決死隊・宮迫博之、宮川大輔、タカアンドトシ、ネプチューン堀内健など、西野の先輩芸人たちが出演してきた。おまけに映画版は今や大御所芸人のウッチャンナンチャン・内村光良が監督しているのだ。西野が言い放った「都合よくのっかる芸人」というのが、特定の誰かを指すのかは明らかになっていないが、スポーツ紙の芸能記者は「内Pの恨みかなぁ」と指摘する。『内村プロデュース』(テレビ朝日系)とは、00~05年に放送された内村メインの人気深夜番組だ。

「内村さんがさまぁ~ずやふかわりょう、TIMといった面々とユルグダの企画をやるというものなんですが、内村さんらしい温かい雰囲気の番組で、芸人同士の仲の良さとか、楽屋裏の面白さみたいなものまで伝わってくる伝説の番組で、視聴率こそ高くなかったものの、若手芸人が出演したい番組ナンバーワンだったんです。当時勢いのあったキングコングが出演した回では、大喜利のようなクイズをやったんですが、他の芸人がどんどん手を挙げて発言するのに、そこで西野は発言しない。見かねた内村さんが気を利かせて振ってあげたんですが、『自分より相方のほうが面白い』『みなさんが面白くて見ていたい』などと妙な“上から目線”を発動させてしまい、参加すらしなかった」(スポーツ紙記者)

 西野の愚行はそれだけにとどまらなかったという。

「おまけに、楽屋裏で『あの人(内村)おかしない? 俺はツッコミなのに、そういうのわかってへんのかな?』と発言したとまでいわれている。その発言がさまぁ~ずの大竹さんに伝わり、さまぁ~ずやくりぃむしちゅー有田さんなどが大激怒したということです。そりゃあの番組では、内村さんがMCでツッコミ役、若手芸人はボケもツッコミもなく絡んでいくスタイルですからね。当然ですが、その後キングコングは呼ばれなくなりましたね」(前同)

 芸人が毒舌やビッグマウスでキャラを作ること自体は悪いことではない。それこそ、ビートたけしからダウンタウン、最近では有吉弘行だってそれで成功してきた側面もある。だが、彼らは毒を吐く相手との信頼関係を作っていたり、あくまでもネタとして話していることがはっきりわかるのだが、西野の場合はそれがない。

 だから今回のように反論されるとすぐ謝罪して逃げたり、これまでもラジオで爆笑問題を馬鹿にしたあと、共演するや硬直して何も言えなくなるなど、自分の発言の責任をとれない行動をみせてしまっているのが、多くの視聴者やネット民からの反感を買う元凶になっている。

 『はねるのトびら』(フジテレビ系)が終わり、相方の梶原が生活保護問題でバッシングに遭うなどし、芸人として不遇な時代にあることは間違いない西野。ビッグマウスで世間の注目を浴び、身の丈以上の存在感をアピールする芸風を持ってしまったがゆえの苦悩もあるのかもしれないが、今回は、森三中の大島美幸、大人気放送作家・鈴木おさむ、尊敬すべき大先輩・ウッチャンと、噛みついた相手が悪かったようだ。
(文=中村雪乃丈)

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