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伝説の番組『虎の門』精神を受け継ぐテレ朝バラエティ制作の裏側


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※イメージ画像:『うんちくブック』双葉社

 いつの世もテレビ業界でもっとも話題になるのは視聴率。1980年代は首位争いにも絡んでいたTBSが90年代以降に低迷し、日本テレビとフジテレビが王座を争う状態が長く続いていたが、2012年の年間視聴率では、テレビ朝日がプライムタイムで平均視聴率12.5%を記録し、1959(昭和34)年2月の開局以来初の1位を獲得したと発表した。テレ朝は1957年、出版関係各社が中心となって「教育番組専門局」として設立された局で、免許交付の条件は教育番組を50%以上、教養番組を30%以上放送するというものだった。しかしその後、業績不振に伴い総合局に転向。今では「子どもに見せたくない番組」ランキング上位に何本も制作番組がノミネートされる、お笑いバラエティに強いテレビ局となった。

 スポーツ(巨人戦)の日テレ、バラエティとドラマのフジがつばぜり合いを演じていた数10年の間、テレ朝は「報道のテレ朝」といわれ、看板番組の『ニュースステーション』こそ健闘していたが、それ以外に視聴率で大きな話題になる番組はなかった。しかしながら、その影には、現在の「バラエティのテレ朝」を形成するための一本の偉大な実験番組が存在していたことを、ご存じだろうか。

 その番組の名は『虎の門』。これは、2001年にひっそりと始まった深夜の生放送番組である。深夜番組らしく、ゆるゆるグダグダの番組で、毎回ゲストMCを呼んで、『●●(ゲスト名)の虎の門』と銘打って放送されていた。視聴率は決して高くはなかったが、当時ゴールデンではできないような実験的な企画を数多く打ち出している。有名なのは『うんちく王決定戦』でくりぃむしちゅー・上田晋也が一気に脚光を浴びたことだろう。

 くりぃむしちゅーは、この番組のプロデューサーだった瀬戸口修氏に見いだされ、その後ネオバラ枠の『くりぃむナントカ』で初冠番組を持つことになる。くりぃむだけではない。この番組で若手芸人として出演していた芸人の多くが、その後しっかりとブレイクし、そして今も絶好調のテレ朝のバラエティを支える中核になっているのである。

 たとえば、新聞の番組欄を解説しながら紹介するというミニコーナーで活躍していたのが、まだ売れる前のアンタッチャブルや、カンニング、U字工事などだ。『うんちく王』をはじめとする伝説企画を排出した「いとうせいこうナイト」のコーナーからは、『しりとり竜王戦』で、それまで個人での面白さが伝わっていなかったよゐこの有野や、東京進出直後でくすぶっていた千原ジュニアが、天才の片鱗とジャックナイフからの脱皮を見せ、『話術王決定戦』では、まだ無名も無名、貴乃花のものまねをする人だと思われていたバナナマンの二人が、抜群の話術センスを見せ大活躍をしていた。これらの企画は現在他局の人気番組である『すべらない話』や『IPPONグランプリ』の原型といってもいい、非常に洗練された、深い企画であるといえよう。

 テレビ朝日は、この『虎の門』で育った芸人を、『ネオバラエティ』という、23時台のバラエティに積極的に使っていく。『くりぃむナントカ』がその代表だが、それ以前にも『内村プロデュース』『銭形金太郎』『愛のエプロン』『ぷっスマ』などに、虎の門出身の芸人がレギュラーやゲストとして使われているのである。

 テレ朝が面白いのは、深夜の『虎の門』で一次実験、そしてそこで結果を残した芸人をネオバラエティ枠で二次実験し、さらにそのネオバラ枠で好評だった番組をゴールデンに出してくるという姿勢を貫いてこの結果を出したということだ。『くりぃむナントカ』や『銭形金太郎』など、縛りの多いゴールデン進出で終わらせてしまうこともあったが、現在のゴールデンのバラエティを見れば、そのほとんどがネオバラ、あるいは虎の門枠で育った芸人(さまぁ~ず、くりぃむしちゅー、タカアンドトシ、ココリコなどなど)、が司会やレギュラーを務めているのだ。

 移り変わりの早い芸能界の中で、約20年前(ネオバラ枠が始まったのは1993年)から、しっかりとした育成計画を立てて達成したプライムタイム視聴率1位は、非常に価値があるものといえるだろう。一世代前のバラエティの王者だったフジテレビは、『新波』という若手芸人の番組を定期的に放送し、そこで結果を残したメンバーが『めちゃめちゃイケてるッ』『はねるのトびら』『ピカルの定理』といった番組を作っていったが、それらの番組が醸し出すアットホーム感…悪く言えば閉塞感が、最近はウケにくくなっていることも否めない。

 育成してきた芸人・タレントをさまざまな番組にバラ売りして、“面”での制圧を試みているテレ朝がこの後どのような展開を見せるか、注目していくのも面白いかもしれない。

 そして、そのテレビ朝日の『アメトーーク』や『ロンドンハーツ』のプロデューサー加地倫三氏が最も警戒しているのが、テレビ東京の佐久間宣行氏(『大人のコンソメ』『ゴッドタン』などのプロデューサー)であることも、知っておくといいだろう。テレ東深夜のバラエティの勢いは、天下のテレ朝花形Pをも脅かし始めているのだ。視聴率では常に民放最下位のテレ東だが、テレ朝が大逆転でトップの座を奪ったように、いつ革命が起きるか分からない。

 とかくつまらなくなったと言われるテレビバラエティだが、制作者たちの熱意はまだまだ衰えているわけではない。テレ朝、そしてテレ東のバラエティには今後も注目だ。
(文=破夜魔騎士)


「たくらむ技術」


テレ朝・加地Pのたくらみ

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