「アイドル」はバンドが下に見て済む文化なのか? 「アーバンギャルドの病めるアイドル五番勝負!!!!!」レポ

■7月17日渋谷TAKE OFF 7
「第四話:北欧の風、心の風邪 アーバンギャルド VS バニラビーンズ」

 4組目は、2回目の対バンとなる「北欧の風に乗ってきた」2人組、バニラビーンズ。アーバンギャルドでおなじみの水玉フラッグを手にしてステージに登場し、洒落た楽曲と芸人の域に達しつつあるMCの両面で楽しませた。途中、何度試しても次の楽曲の音が出ないトラブルもあったが、それもMCで乗りきってステージを進めてみせたのはさすがだ。

 

 
 アーバンギャルドは、男性メンバーが全員キノコ頭、しかもボーダー柄のシャツという過剰な渋谷系ファッションで登場。「恋をしに行く(Afternoon .Ver)」で始まり「ももいろクロニカル」で終わるバラエティに富んだ選曲だった。

banibi2.jpg

 アンコールのコラボでは、バニラビーンズが水玉のリボンとワンピースで登場(アーバンギャルドにも内緒にしていたとか)。「東京は夜の七時」をカヴァーし、バニラビーンズのステージでの「ベイビィ・ポータブル・ロック」に続き、この日2曲目のピチカート・ファイヴの楽曲となった。

 終演後のアーバンギャルドは「肉球チュパチュパ会」を開催。メンバーが片手でファンの肩など体の部位を触りつつ、もう片手は口に当ててチュパチュパ音を立てるという説明に苦労する趣向だった。

■7月23日恵比寿LIQUID ROOM
「最終話:病めるアイドルは僕を好きになる アーバンギャルド VS ぱすぽ☆」

 最後の相手は、アーバンギャルドと同じユニバーサル所属であり、すでにチャートの1位も獲得しているぱすぽ☆。アーバンギャルドの「萌えてろよ」にぱすぽ☆のメンバーが参加しているほか、ぱすぽ☆の新曲には楽曲提供や演奏でアーバンギャルドが参加している関係だ。

 開演前の「搭乗アナウンス」が聞き取れないほどのパッセン(ぱすぽ☆のファンの総称)の歓声、そして開演後の激しい「うりゃおい」コール。玉井杏奈は怪我のためにMCのみで参加だったが、それでもぱすぽ☆はダイナミックな振り付けとフォーメーションの鮮やかさで魅了した。新曲「夏空HANABI」は扇子を使って踊る趣向だ。

 

 
 アーバンギャルドは、浜崎容子がニューレイヴかと思うようなサングラスで登場。アイドルとの対バンだというのに「セックスはお好きですか!?」「大好きでーす!!」という定番のコール&レスポンスが「アーバンギャルドの病めるアイドル五番勝負!!!!!」全日で行われ、この最終日では続く「ベビーブーム」でリキッドルームのフロアへ松永天馬が突入。「その少女、人形につき」ではマワリを行うパッセンの姿もあった。

paspo1.jpg

 そしてコラボのために再登場したぱすぽ☆は、赤い涙のメイクをした「病めるアイドル」仕様。アーバンギャルドがぱすぽ☆に楽曲提供した「ピンクのパラシュート」、そしてぱすぽ☆がレコードディングに参加したアーバンギャルドの「萌えてろよ」がともにライヴで初披露された。

 そして最後の最後、アーバンギャルドは「私たち、普通のバンドマンに戻ります」とマイクを置いてステージから降りた。とはいえ、アーバンギャルドにとって普通のバンドマンとはなんだろうか……? そして、その後もチェキ会(ファンのカメラ機材でメンバー全員と撮影)を開催して微妙にアイドルを続けており、ファンの長蛇の列が。撮影が終わったのは23時前のことだった。

men's Pick Up