スカイプオナニーにハマる現代人たち

※イメージ画像 photo by dlm.model from flickr

 時代が進むにつれ、世の中にはどんどん新しいものが送り出されてくるが、反対に、最近見かけなくなったものもある。例えば、公衆電話。ひと昔前までは、当たり前のようにどの通りにも存在していたが、携帯電話の普及によって、その数が減ってきている。とはいえ、先の震災で、公衆電話の価値が再認識されつつある。

 電話といえば、イタズラ電話もほとんどなくなった。迷惑メールの類は、確かに後を絶たないが、ここ数年でイタズラ電話を受けたという人は、滅多にいないだろう。その背景には、携帯電話の普及に伴い、自宅に固定電話がある人のほうが珍しいという理由が考えられる。現代人のメインツールである携帯電話には、「番号表示」という便利な機能が備わっているため、登録していない番号には出ないという人がほとんどだろう。よって、かつてのような「どんなパンツはいているの?」「ハァハァハァ……」といったイタズラ電話が激減したというわけだ。

 イタズラ電話の減少とは逆に、増えているのが、スカイプ宛に見知らぬ人から送られてくるコンタクト申請だ。知人からかと思いきや、あかの他人からの「相互オナニー申し込み」だったりして、驚いた人も少なくないだろう。

 スカイプとは、ユーザー間でチャットや音声通話・テレビ電話などが利用できる、無料のインターネットサービスのこと。ビジネスにおいても利用しているという人は非常に多い。それを、プライベートにおいて、会ったことのない相手との相互オナニーに利用している人も、決して珍しくはないのだ。Twitterのプロフィールにも、スカイプ名を掲載し、「スカイプオナニー希望」などとアピールしている人もよく見かける。

 そういった、スカイプを利用したエロ活動を「エロイプ」というわけだが、エロイプとはどのようなものなのだろうか? エロイプの愛好家たちに、その醍醐味を聞いてみた。

 まずは、目的について。リアルな出会いを求めているかと思いきや、あくまでも「相互オナニー」に目的を絞っているという人がほとんどだった。確かに、リアルな出会いを目的としているのなら、そういった目的に特化したツールはいくらでもあるだろう。

 ところで、そもそも「相互オナニー」とは、いったいどのように行なうものなのか? オナニーとは、「ひとりエッチ」という俗称もあるくらいなので、基本的には一人で行なうはずの行為である。しかし、一人でのオナニーには、バリエーションに限界が生じてくる。かと言って、セックス相手が簡単に見つかるわけでもない。そこで、WEBカメラを利用してオナニーを見せ合い、新たな刺激を求めよう、という趣旨で行なうのが「相互オナニー」というわけである。

 そして、「相互オナニー」は、なんといってもWEBカメラによるテレビ電話機能が魅力のようだ。自分のモノを見せたいという欲求と同時に、女性のカラダも見ることが出来るというのは、アダルトビデオ鑑賞とは全く異なる興奮が味わえるのだそう。もちろん、アダルトビデオに登場する女優たちのように、ナイスバディな女性は滅多にいないと、愛好家男性は語る。ただ、相手女性の中途半端なボディラインがむしろリアリティがあって興奮が増すという。注意点は、お互い顔が写らないようにすること。万が一、外部に流出などという事態になってしまっては取り返しがつかない。

 一番気になるのは、相互オナニー相手の見つけ方である。やはり、いきなりあかの他人にコンタクト要求をするというやり方は、ほぼ上手くいかないという。前述の、Twitterやブログのプロフィール欄にスカイプ名を記載したところで、たいした反響はないようだ。では、どうするのかというと、スカイプ目的のネット掲示板が有効だという。中には、商売目的のカキコミもあるようなので細心の注意が必要だが、そういった中から、純粋に相互オナニー目的の女性が見つかった悦びはひとしおだという。なお、見つかる女性は、30代後半~40代にかけての既婚女性が多いとのこと。「若いほうが好み」という人は、別のツールを模索したほうが良いだろう。

 また、あかの他人同士ではなく、顔見知り同士でスカイプオナニーをしているという男女も存在する。遠距離恋愛や、仕事が忙しくて会えない時などに、スカイプは非常に使い勝手がいいようだ。ただし、あかの他人とは相互オナニー出来ても、本命の彼氏の前ではそういった姿を見せたくないという女性も少なくない。「オナニーしていることを知られたくない」「胸を見せるくらいなら応じるが、性器を晒すのはカンベン」など、抵抗感を示す声も挙がっている。本命のカノジョにスカイプオナニーを提案する際は、充分な注意が必要である。
(文=菊池 美佳子)

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