今月15日夜、AKB48の姉妹ユニットであるSDN48のキャプテン野呂佳代が、秋葉原の劇場公演中「全員そろってグループを卒業することになった」と、突然の”全員卒業”を発表、来年の3月31日がラストコンサートとなることが明らかとなった。青天の霹靂ともいえる今回の卒業発表で、会場はファンからの悲鳴にも似たどよめきが渦巻いたという。「メンバー一同、自分の夢をより具体的にするために、新たなステージへ旅立つことになります」と野呂は続けたが、この発表以降、SDN劇場支配人の公式ブログには「卒業じゃなくてリストラ」「メンバーに責任押し付けるなよ！」など、ファンからの怒りのコメントが相次いでいた。
これを受け18日、SDN劇場支配人がSDN48officialBlog上に、「SDN48全員卒業の経緯について」と題した記事を掲載。コメント欄に寄せられた疑問に答えるとともに、改めて今回の”卒業”という言葉の意味を説明している。
記事内で支配人は『強制的な卒業なのでは』という疑問について否定。「きちんとメンバー一人一人の夢や目標を聞いた上で、どうすることが一番良いのか？ 結論を出すまでには、本当に沢山の議論が交わされました」と、”全員卒業”発表に先立ち、各メンバーと十分なディスカッションができていたことを主張し、また『赤字だから切り捨てるのか』という疑問についても同様に否定。「プロジェクトのグループとしては結果も残しており、金銭的なことが今回の結論に達した理由ではございません。」と反論した。
確かにこれまでSDN48がリリースした3枚のシングルはいずれもオリコン週間チャート3位にランクインし、8月発売の「MIN・MIN・MIN」においては栄養ドリンク『眠眠打破』のCM曲としても採用されるだけでなくCMへの出演も果たし、それが追い風となったのかテレビでの露出も目立ち始めていた矢先の卒業発表だった。
では一体何が卒業を決断する決め手となったのか。同支配人はこう続ける。
「AKB48とは違い、20歳以上のメンバーで構成されている為、実家住まいのメンバーは少なく、その殆どが自活をしており、アルバイトをしているメンバーも多数おります。本来なら、劇場公演を関係者に観て頂いて、何かにキャスティングをして頂いたり、芸能事務所への所属が決まったりするのですが公演倍率もあがらず、スカウトされる機会も少ないので、どのようにするべきなのかずっと前から悩んでおりました」
そして「SDN48というグループで公演を続けるより、個人の夢を応援した方がメンバー達の為になるのではないか？」と結論が出され、全員卒業の発表に至ったとしている。
”公演倍率が上がらずスカウトされる機会も少ない”と、メンバーらの魅力不足ゆえの結果とも受け取られかねないこの記事を受け、ネット上ではファンらの怒りが沈静化するはずもなく「そりゃ使い物にならないから切りますとは表沙汰には言えんだろう」「色々言ってるけど結局はリストラ」と、さらなる物議をかもしている。
確かに記事からは、劇場公演に足を運ぶ芸能関係者からスカウトを受け、芸能事務所に所属し、劇場以外の仕事の機会を増やしていく、といったAKB48グループのビジネスモデルがSDN48ではうまく働かなかったための決断、と読み取る事もできる。実際ネット上では「原因のひとつは運営にあるだろうに、そこに触れられていない点に腹が立つ」というコメントも見受けられ、結局、運営側が予想していたほどビジネスが軌道に乗らなかったために不採算部門を切り捨てる決断をしたのではないか、と見られても仕方のない状況だ。
そして次に気になるのが、この”全員卒業”を経て、メンバーが今後芸能界で活躍していくことができるのか、ということである。
「たとえばAKB48では篠田麻里子や板野友美など、個々のメンバーの顔がお茶の間に認知されて久しいですが、SDN48はやっとグループ名が認知され始めたものの各メンバーの認知度はまだ低い状況です。この状態で卒業となっても生き残れるのはほんの数人ではないでしょうか。特に、深夜バラエティーやグラビアなどの露出がある芹那は、事務所がやらせたくてもSDNの縛りがあって出来なかった仕事なんかも存在したでしょうし、今後活動の幅は広がるでしょうね。ただ、もうちょっとグループ名が売れてからの”全員卒業”であれば……とも思います」（芸能ライター）
くだんのブログでは、「何よりも今一番メンバーに伝えたいのは『まだ終わったわけではない』という事です」と綴られているが、本当にそう思っているのであれば、運営側も全員卒業という、”リストラ”と揶揄されるような結論には至らなかったのではないだろうか？
芹那のお尻も見納め？
